ペルソナ3
1947話
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ると、そこではゆかりがジト目をこちらに向けていた。
その視線は、明らかに俺を責めているように見えるのだが……うん、多分気のせいだろう。
そんなゆかりの視線を感じながら、俺は携帯の向こう側にいる美鶴に声を掛ける。
「ああ、悪い。別に、これからどこかに遊びに行こうと思ってメールをした訳じゃないんだ」
『……そうなのか』
数秒の沈黙の後、少しだけ残念そうに桐条が呟く。
まぁ、桐条の立場から考えて、気軽にどこかに遊びに行こうって訳にもいかないだろうしな。
そう考えれば、残念そうな声を出してもおかしくはない。
「ああ、勘違いさせてしまったようで悪いな」
『だっ、誰が勘違いなど! ただ、私はアクセルが不良にならないようにだな』
「この時間に外に出ている時点で、世間一般的に考えれば不良扱いされてもおかしくはないんだけどな」
もっとも、俺にしろ、美鶴にしろ、テストの成績で1位を取っている。
成績だけを見れば、とてもではないが不良とは呼べないだろう。
……もっとも、品行方正な美鶴と違って、俺は色々と細かな問題を起こしたりもしてるし、授業態度も決して真面目という訳ではない。
その辺りを考えれば、美鶴は間違いなく優等生だが、俺は成績はいいものの、優等生と呼ぶには難しい……といった感じか。
『ふふっ、そうかもな。……それで、用件は? ああ、私達も現在は無事に寮に戻ってきているから、心配はいらない』
「そうか、丁度良かった。なら、ちょっと見て欲しい……聞いて欲しいか? とにかく、そんな事があるんだが。それと、付随して協力して欲しい事もある」
『分かった』
俺の言葉に、即座にそう言ってくる美鶴。
内容を聞くよりも前に承諾の返事をするのは、正直どうかと思うが。
ただ、美鶴にしてみれば、自分達の借り分が大きすぎると感じているのだろう。
だからこその、即答。
……これで、俺が無茶な頼みを、それこそ桐条グループの株を全部寄越せとか、そんな事を言ったら、どうするつもりだったんだろうな。
「いいのか? 最後まで話を聞かないで了承して」
『アクセルの頼みなのだろう? なら、こちらも可能な限り対応させて貰うさ』
いつの間にこんなに信頼されるようになった?
一瞬そんな疑問を抱くも、ともあれ向こうはこちらに対して誠意を持って接しているのは間違いない。
なら、こちらもそれに乗るべきだろう。
「分かった。なら、これからすぐそっちに行くから、寮の前で待っててくれ。……多分、驚くと思うから」
『ふむ? 分かった。では、そうさせて貰おうか。アクセルが何を考えているのか、楽しみに待ってるよ』
そう告げ、電話が切れる。
「そんな訳で、これから巌戸台分寮まで行くぞ」
「ふーん。…
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