第七話 初夏の風そして
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第七話 初夏の風そして
帝国暦477年3月31日
■ オーディン ノイエ・サンスーシ ベーネミュンデ侯爵邸 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
最近お母様の機嫌が非常によい。
やはりお父様が毎日のように来てくださるからだろう。
昨日もオペラ鑑賞に連れ立っていった、ローエングリンらしいがよく知らない。
メックリンガーなら知ってるだろうけど、未だに繋がりがないし。
このところは、ロリコン趣味の女遊びが絶えてきて真っ当な生活環境へと変わってきている。
たくよー50過ぎの男が15歳を愛人にするんじゃねーよ。
それを勧める、茶坊主どももどうしようもない。
やっと女の陰を薄くできたから、これからも変な女に、引っ掛からないようにさせなければならないな。
帝国暦487年にお父様が亡くなられるのを、防ぐためお酒をあまり呑まないように、あちらこちらへと一緒に動いて出かけるようにしている。
最近は顔色も良く息切れも無いようだ。
この半年でも山登り(庭園内の丘だけど)やハイキング、乗馬など一緒に楽しんでいる。
意外だったのはお父様は乗馬がヘタだったことだ、若い頃放蕩三昧だったため遊んでばかりでやってなかったらしい。
出来るなら何とかして役立たずの門閥貴族を潰して、帝国を再生したいな。
まずは、グリンメルスハウゼン爺様に繋ぎを作って、相談に乗って貰わないとだめだな。
んーしかし、いきなり会うと他の者に不審がられるから何とかチャンスを作らないと。
そう言えば、ケスラーって何時から、グリンメルスハウゼン爺様の部下だっただろう。
映像見るとずいぶん親しそうだっし、個人的にかなり前から繋がりがあったのかもしれないな。
472年に士官学校卒業してるから、25歳で大尉ぐらいかな?
ケスラーが来てくれれば、これほど頼もしいことは無いのに。
帝国暦477年4月1日
■ オーディン ノイエ・サンスーシ ベーネミュンデ侯爵邸 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
本日お母様から重大な発表があるとのこと。
お父様が臨席する夕食時に発表するからと待ちの姿勢。
夕方6時にお父様が来てくれました。
そしてにこやかな、お母様から発表が有りました。
『テレーゼに弟か妹が出来ますよ』
流産予定の子供か。守れたら守りたいな。
「お母様、わー嬉しいおめでとうです」
お父様も喜んでくれました。
良しこれで、当分の間他の女は排除できるだろう。
エイプリルフールじゃないよね。
帝国暦477年4月
■オーディン 某所
「あの女が又妊娠したと」
「あの者よりの知らせにございます」
「早い内に始末させるのだ、小娘のように生き残る可能性も
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