暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と奈良の三山
第四幕その三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 曲がり角を右に行ってです、唐招提寺の前に来ましたが。
 動物の皆はその外観を見てこう言いました。
「歴史あるね」
「さすがに東大寺よりは小さいけれどね」
「あのお寺が大き過ぎるだけで」
「整った感じよね」
「歴史を思わせながらね」
「そうだよね」
「そう、このお寺は奈良時代の趣が残っているんだ」
 そのままというのです、
「今もね」
「そうなのね」
「それでこの外観なの」
「歴史を感じさせる」
「いいお寺ね」
「そう、そしてその唐招提寺にね」
 今からというのです。
「行こうね」
「わかったよ」
「それじゃあね」
「今からね」
「中に入りましょう」
 こうお話してでした、皆でです。
 唐招提寺に入りました、そのうえで皆でお寺の中をよく見てです。動物の皆はあらためて言うのでした。
「いや、ここにだね」
「鑑真さんがおられたんだ」
「唐から来てくれて」
「それでだね」
「そうだよ、ここに入ってね」
 そしてというのです。
「唐の仏教を直接伝えてくれて」
「政治のこともだね」
「お話してくれたんだ」
「そうだったの」
「どの国もそうだったけれ僧侶は知識人だったから」
 このことからというのです。
「政治も詳しくてね」
「それでだね」
「朝廷の人達にも政治を教えてくれていた」
「鑑真さんもだね」
「特に鑑真さんは唐でも有名な高僧だったから」
 つまりそれだけ深い学識を備えていた人だったというのです。
「それでなんだ」
「政治の知識も深くて」
「それでなんだ」
「そちらのことも教えてもらっていた」
「そうなのね」
「うん、そうだよ」
 その通りだというのです。
「そして何よりも仏教のことをね」
「教えてもらっていたんだ」
「日本の朝廷の人達は」
「何かと」
「そうだよ、そして日本の仏教の発展に物凄く貢献してくれたんだ」
 鑑真さんはそうした人だったというのです。
「日本に来るまでの苦難の中で目が見えなくなっていたけれど」
「うわ、それでもなんだ」
「日本に来てくれてなんだ」
「沢山の知識を伝えてくれたんだ」
「そうだったんだ」
「そう、日本の仏教は鑑真さんがいないと」
 若しもというのです。
「どうなっていたかわからないよ」
「そこまでの人なんだ」
「それが鑑真さんなんだね」
「そうだよ、日本の仏教の貢献度でいうと」
 先生はその鑑真さんを思いながら皆にお話するのでした、その唐招提寺の中で。
「同じ時代の行基さんや飛鳥時代の聖徳太子、平安時代の空海さんや最澄さんにも匹敵するだろうね」
「うわ、凄いね」
「聖徳太子と同じだけなんて」
「行基さんも有名よね」
「空海さんと最澄さんなんてね」
「もう仏教界のスーパースターだよね」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ