第三章
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「それもね」
「僕は」
「そう、もうすぐね」
「どういうことかな」
高校生は今は長居の言うことがわからなかった、それで首を傾げさせていたが彼はもう太っていることを言われなくなってだった。
自然と人の輪にも入る様になった、だがある太ったクラスメイトが自分がいるグループの中に入ろうとした時だ。
ある輪の中のメンバーがこんなことを言った。
「あいつ太っててキモいからな」
「俺達の中にはか」
「入れないでおこうっていうのか」
「そうしないか?」
こう仲間達に言うのだった。
「デブだからな」
「太ってるとか」
「御前は嫌か」
「デブだと動きトロいし外見も悪いしな、キモいだろ」
だからだというのだ。
「あいつは入れないでおこうぜ」
「そうするか?」
「あいつは入れないでおくか」
「そうしようぜ」
彼は言う、だがだった。
彼等のその話を聞いてだった、高はわかった。それで彼等とそっと外れてだった。
その除け者になりそうだった彼のところに来て微笑んで声をかけた。
「今度どっか遊びに行かないか?」
「僕と?」
「ああ、そうしないか?」
「あの、僕は」
実は彼は聞いていた、太っているから仲間に入りたくても除け者になりそうだと。しかしその彼にだった。
高は声をかけたのだ、それで戸惑いつつ彼に尋ねたのだ。
「太っていて」
「いいよ、僕だって太ってたし」
だからと言うのだった。
「いいよ」
「そうなの」
「じゃあ何処に行く?」
「それじゃあ」
高は彼等と別れた、そうしてだった。
ここでわかった、長居が言う『彼等』とは誰なのか。
それでだ、長居のところに行って彼に話すと長居も笑顔で答えた。
「そうなんだよ」
「まさにだね」
「彼等とはね」
「ああした人達のことだったんだね」
「そうだよ、君はわかってくれると思っていたよ」
長居は高に笑顔で答えた。
「同じ経験を受けたからね」
「そうだね、人を外見で判断したりね」
「そうしたことをする人にはね」
「僕はなってはいけないね」
「君がそのことで苦しんだだけに」
外見だけで判断されてきたからだというのだ。
「それだけにね」
「僕自身は」
「人を外見だけで判断しないでね」
「彼等にはならないことだね」
「彼等のその時の言葉も聞いたね」
「うん、人を外見だけで判断して」
その言葉だけでなく言っている時の醜い顔もだ、高は思い出してそのうえで長居に対して話をした。
「つまらない、醜い連中だって思ったよ」
「そんな連中は今君が言った通りだよ」
「つまらない、そして醜い」
「そんな連中だよ、そうしてね」
「そんな連中と付き合ってもだね」
「いいことはないよね」
「そうだね」
高は長居のその言葉
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