アルバレス編
カラコール島
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「観光地だったはずだよね〜?」
「ええ。カラコールはアルバレスの領土じゃないはずよ」
その正体はアルバレス帝国の船。自分たちの領土ではないのに、なぜこんなところにアルバレス軍がいる理由がさっぱり検討もつかない。
「港で何か検閲をやってるようだ」
「これじゃ島に近づけねぇぞ」
望遠鏡を片手に島の様子を伺うメストさん。それの手助けではないけど、俺たちも島の様子を聞いてみることにした。
「スパイの仲間を探してるみてーだ」
「スパイさんも捕まってはないようです」
「それを探すために島中を封鎖してるようです」
「え?あんたたち港の声が聞こえるの?」
「かすかにだけど・・・」
この1年で成長した分五感がさらに鋭くなった。でも、しゃべったことでより気持ち悪さは増してるけど・・・
「どうする?」
「奴らに諜報員が捕まる前に接触せねばな」
虎穴に入らずんば虎児を得ず。俺たちはスパイさんと合流するためにカラコール島へと降り立った。
「港は一時的に封鎖する。島に入るもの、出るもの、全ての身分と荷物を検査する」
港に入るとすぐさま怪しげな仮面を被っているアルバレス軍の兵隊たちが観光客たちを取り調べていた。
「いいかナツ。おとなしくしてるんだぞ」
「わかってるよ」
「次」
小声でナツさんにエルザさんがそう言うと、ちょうど俺たちの順番が回ってきた。
「あたしたち、観光でこの島来ましたー!!」
「あい!!」
「この島のスターマンゴーが絶品と聞いてな」
「楽しみだね、お姉ちゃん」
「早くスターマンゴー食べたーい!!」
全員で水着に着替えて変装はバッチリ。俺がセシリーやシャルルの妹役なのは腹が立つけど、ここはそれを飲み込んでおこう。
「お姉ちゃんって・・・」
「そんなキャラ設定いるか?」
後ろからお兄ちゃん(笑)2人が何か言ってるけど気にしたら負けだ。このまま通過できるかな?と思っていると、軍人さんはルーシィさんの手を見て質問してくる。
「その紋章はギルドのものか?」
「魔導士ギルド化猫の宿です」
ギルドマスターであるエルザさんの権限により一時的にギルドマークを変えている。それにしてもこのマーク本当に懐かしいな、心がワクワクしてくるよ。
「聞いたこともねぇギルドだな」
「そもそもイシュガルのギルドなんか数えるくらいしか知らねーよ」
「「・・・」」
アルバレスの兵隊たちの言葉に思わず無言になる。確かにずいぶん前になくなったギルドだから知らないだろうけどそんなこと言わなくてもいいんじゃないかな?
「どうする?魔導士は特に厳しくチェックしろと言われてるし」
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