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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
幕間の物語 I
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いわくこの血には願掛けの意味合いが込められているらしい。」

 見れば今にもその矛先から血が滴り落ちそうである。だがウィスの魔力によって朱槍の周囲をくまなく包むことで、当時の状態のまま上手く保存しているのだ。







『───。』







「──随分と愛が重い女性のようだね、スカサハは。」

 彼らの気持ちを代弁するダヴィンチ。

「───召喚しよう。」

 ウィスは思わし気な笑みを浮かべ、手に持つゲイ・ボルクを前方にかざした。



 朱槍から血液が滴り落ち───


───召喚が始まる───


 光が走り、循環し、辺りを幻想的に照らし出し───


 むしろウィス本人が強い触媒となり───



「影の国よりまかりこしたスカサハだ。お主をマスターと呼べば───。」

 現れるは絶世の美女。彼女は此方を図るように見渡し───

 ウィスの姿を目にし、口を閉ざした。





『───。』

 視線を交錯させるウィスとスカサハ。





「──元気そうだな、スカサハ。」
「──お前も相変わらずだな、ウィス。」

 2人は顔を見合わせながら互いに微笑み合う。


 そんな中スカサハは笑みを浮かべながらウィスの方へと歩を進めていった。


 また一歩。


 また一歩と───


 スカサハはウィスに近付き───


 ウィスの頬に手を添え───


───二人の距離はゼロになった。





『!?』





「──。ふふ、私を待たせた罰だ。」

 スカサハは楽し気に、愛しむようにウィスから身を引く。対するウィスも満更でもない様子であるが。

 状況についていけない立香たち。見ればダ・ヴィンチ以外の全員が皆一様に顔を赤くしていた。

「あぅ、あぅ…。」
「フォフォウゥ…。(こいつは凄ェ…。)」
「うわー大胆だな、影の国の女王様は…。」
『キ…キッキッキスッ!?』
「───。」
「ほほーう。」

「互いに積もる話もあるだろうからな。後はウィスの部屋で語ろう。」

 スカサハは呆然とする立香たちのことを我関せずな様子でウィスの襟首を掴み、力強く引っ張りこの場を後にした。


 こうしてカルデアに新たな仲間であるスカサハが召喚された。







▽▽▽▽▽▽▽▽▽







「師匠とウィスの2人の関係が知りたい?」

 此処は食堂。皆が日々の疲れを癒すべく集う場所である。

 その食堂にてクー・フーリンは不思議気に眉を寄せながらジャンヌの言葉を反芻していた。

「は、はい。スカサハ
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