ペルソナ3
1946話
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に深い傷が何ヶ所もついており、血が流れているのが分かる。
さっきも思った通り、臆病のマーヤとの戦いは、犬にとっても決して楽勝だった訳ではない。
その戦いの中で怪我を負っているのも、空から見た時に分かっていたのだ。
「取りあえず……こっちに来い。治療した方がいいだろ」
そう告げると、犬は大人しく俺の方に近づいてくる。
そんな犬を見ながら、空間倉庫からミネラルウォーターの入っているペットボトルを取り出して傷口を洗う。
恐らく染みただろうに、犬は特に鳴き声を上げる事もなかった。
そうして傷口を洗うと、次にタルタロスから入手したものの、全く使う事がなかった傷薬を塗る。
「わん!」
ミネラルウォーターはまだしも、傷薬の方は染みたのか、犬の口から悲鳴……とまではいかないが、それでも鳴き声が上がる。
それでもこっちに敵意を見せている様子がないのは、これが治療だと分かってるからか。
「……さて、これでいいだろ。もう傷も殆ど残ってないし」
タルタロスで入手した傷薬は、中々に効果が高い。
もっとも、犬の受けた傷がそこまで酷くなかったというのも大きいのだが。
確かこれと同様の効果を持つ傷薬を桐条グループが手を回してどこぞの店で売ってるって話だったが……買っておいた方がいいのか?
ただ、俺達の場合は基本的にタルタロスで入手した傷薬が結構あるし、ゆかりのイオは回復魔法を得意としているペルソナだ。……ゆかりが使うと、何故か超攻撃的なペルソナになってしまうが。
ともあれ、そんな訳で犬の傷も回復した訳だが……
「どうする?」
「いや、どうするって、私に言われても……助けたのは、アクセルじゃない。どうするつもりだったのよ?」
質問に質問で返されてしまった。
だが、実際ゆかりの言う通り、こいつを助けたのは俺なのだ。
であれば、当然この犬をどうするのかというのは、俺が判断する必要がある。
「今更、本当に今更の話だが、まさか犬にも影時間の適性があったりかペルソナを召喚出来たりするとはな。そうなると、もっと詳しく探せば猫だったりカラスだったりといった風に、他の動物でも影時間に適性があったり、ペルソナに覚醒したりする動物がいるのか?」
犬を撫でながら、ふとそんな事を思う。
実際、人間だけが影時間の適性を得られる訳ではなく、ペルソナ使いとして覚醒する訳ではないというのは、この犬を見れば明らかなのだから。
「そう、ね。この子の事を考えると、その可能性は高そうだけど……その場合、どうやって調べるの? 私には、動物園とか水族館に行ってみるくらいしか思いつかないけど」
「あー……まぁ、そうだな。今からでも行ってみるか?」
東京にも、幾つかの動物園や水族館の類はある。
そ
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