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転生とらぶる
ペルソナ3
1946話
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、3つの首で一斉にその身体を食い千切る……瞬間、その姿が消える。
 もう1秒でも長くペルソナがいれば、恐らくそのまま臆病のマーヤを食い千切る事が出来たのだろう。だが、実際には攻撃が命中する直前にケルベロスは消えてしまった。
 そんな九死に一生の隙を、臆病のマーヤが見逃す筈がなかった。
 次の瞬間、臆病のマーヤの身体から放たれたのは、氷柱。
 恐らくブフでも使ったのだろう。
 普段であれば、犬もその攻撃を食らうような事はなかったのかもしれないが……ペルソナを召喚した隙を突かれてしまっては、どうしようもなかったらしい。

「ギャンッ!」
「ちっ!」

 影時間の中で犬が動いていて、更にはペルソナを召喚するなんて真似をした事に目を奪われていたが、その悲鳴で我に返る。
 ゆかりを抱きしめたまま、視線だけで白炎を生み出し……次の瞬間、臆病のマーヤはあっという間に消滅した。
 元々氷系の魔法を得意とするだけあって、臆病のマーヤは炎には弱い。
 そんな状況で白炎を喰らってしまえば、消滅……いや焼滅してもおかしくはないだろう。

「ふぅ。……っ!? ありがと」

 俺の腕の中にいるゆかりが、安堵して俺の方を見て……俺の顔が思ったよりも近くにあった事に驚いたのか、反射的に視線を逸らす。
 それでいながら、俺に向かって感謝の言葉を口にする辺り、それだけゆかりにとってもあの犬は可愛い存在なのだろう。
 実際、ゆかりも何度か長鳴神社に行った事があるし、犬を連れて郊外の草原にピクニックに行った事もある。
 その時の事を考えれば、ゆかりの態度も理解出来ないではない。ないのだが……

「まさか、犬が影時間に適応しているどころか、ペルソナ使いになっているとはな。正直驚いた」

 ゆかりを横抱きにしつつ地面に向かって下りていきながら、素直な感想を口にする。

「そうね。ただ、ペルソナの方は、まだ完全て訳じゃないみたいだけど」
「ああ。もう数秒……いや、1秒でもペルソナを召喚したままでいられれば、臆病のマーヤを倒す事も出来たんだけどな」

 そうやって空から下りてくる俺とゆかりを、犬はじっと見ている。
 それでも下りてくるのが俺だと理解しているのか、警戒体勢を取っているようには見えない。
 そうして地面に着地して抱いていたゆかりを地面に下ろすと、俺はじっとこっちを見ている犬に向かって近づいていく。

「大丈夫か?」
「わん!」

 俺の言葉の意味が分かっているかのような、そんな返事。
 ……前から何だかこっちの言葉を理解しているような態度だったが、こうして影時間に適応して、更にはペルソナまで召喚出来るとなると、もしかしたら本当にこっちの言葉を理解しているのかもしれないな。
 そんな風に思いながら犬を見ていると、その身体
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