0291話『明石の頼み事』
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の実験の成果である薬は本当に手探りでやっていたんだな」
「そうですよー。指輪の成分を妖精さん達と何度も検証しながら、時には研究班の一人の妖精さんに実験台になってもらい、時には私が実験台になったり、時には―――……」
「わかった! わかったからもう思い出さないでいい! どんどん目が虚ろになっていってるぞ!?」
「あ。すみません……つい過去の実験の数々を思い出していると涙が流れそうになりますね」
「そうか……」
私達が知らなかっただけで裏では明石達の壮絶なドラマがあったんだなと感心をする。
それでもとうとう研究に行き詰まってきて私達に相談をしたという事なんだな。それなら断る事もないだろうな。
「わかった。それじゃ私はどうすればいい?」
「はい。少しの間ですけど採取をしますのでベッドに横になって眠ってもらえるだけで大丈夫です。その間に済ませる事は済ませちゃいますので!」
「少しだけ怖いけど頼りにしているよ明石」
「はい。お任せください!」
それで私は実験室に置いてあるベッドに横になって明石に渡された眠くなる薬を飲んだ後、少しして眠気が襲ってきたのでそのまま眠気に抵抗せずに受け入れて寝入っていった。
提督が眠りについた後、明石さんは色々と提督からなにかの採取をしていました。
血液だったり髪の毛だったりと種類が結構ありましてまるで錬金術でも行うのではないかと思うくらい明石さんの姿はアレでしたね。
《明石さん。それでそれはどういう風に使うのですか?》
「あー、そうですね。それはやっぱりDNAに含まれる提督と榛名さんとシンちゃんの成分をそれぞれ抜き出して薬を作成するというものですね」
《そうなのですか。榛名はそう言った知識は持っていませんのでよくわかりませんけど私と提督はともかくシンちゃんの成分はどうやって取り出すのですか?》
「それはさっきに提督に飲ませた睡眠薬に分離薬の成分を少しだけ入れておいたんです。だから今は少しだけ提督からシンちゃん成分も出ていますので抽出は可能かという感じですね」
《なるほど……やっぱり明石さんはすごいですね》
「それほどでもないですよー」
パタパタと手を振りながらも満更でもない笑みを浮かべる明石さんはやっぱり研究者としてやっていけそうですよね。
そしてしばらくして、
「よし……これで揃えられるものは揃えられました。榛名さん、待っていてくださいね。もう少しで提督と完全に分離できる時が来ますよ。シンちゃんというオマケ付きで!」
《それは……楽しみなんですけどいざ分かれろと申されますとまだ提督と一緒にいたいという感情がありますね》
「そうでしょうね。指輪の件がなかったらずっとこのままでいられたかもしれません。ですがもう分離が可能だと実験の成果で出た以
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