暁 〜小説投稿サイト〜
【アンコもどき小説】やる夫は叢雲と共に過剰戦力で宇宙戦艦ヤマトの旅路を支援するようです
閑話 ワールドイズマイン
[4/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
彼の容姿からは考えられない可愛い名前を呟く。
「マナカなんてどうかな?
私の住む星の極東の言葉で『愛の歌』と書くそうだ。
あいにく私には無縁な言葉だが、きっとこれからの君には必要な言葉になるだろう」
「素敵ね。
決めたわ。
私の名前は愛歌。
これからよろしくね。おじさま♪」
「で、彼女を私の所に連れてきた訳か……」
ゴップ提督の説明に国連代表たるペンウッド卿は頭を抱える。
そんな様子をついてきた愛歌は楽しそうに笑いながらテーブルの上の紅茶を楽しむ。
「うまく戦時体制に移行できた祝い事のおまけと思ってくれると良い。
私の下だと悪いことしか覚えないからね」
「まぁ。おじさまったらいじわるね。
私に悪いことをノリノリで教えてくれたくせに♪」
可愛い声で言ってのけるが、ゴップ提督の私設秘書扱いで地球側の対ガミラス総力戦体制の移行を手伝った時点でその悪いことがろくでもない事が分かる。
彼女は培養槽の中から出てまだ一年ほどしか経っていないのに、何でもできてかつ何でも理解してしまう鬼札だったのである。
「せっかくだから教えてくれ。
私は正直、加盟国間の戦争もあると覚悟していた。
どうやってフォン・ブラウン条約をまとめあげたんだい?」
それを答えたのは愛歌だった。
ゴップ提督の養子として踊る会議の中で注目を集め、小娘だからと侮った百戦錬磨の外交官達はその容姿に騙されて次々と敗北を重ねていったのである。
「だって話し合いの皆様、基本経済についてはある程度まとまっていたのよ。
だから、そこを軸に妥協させて逃げられないようにしただけ♪」
まるでお菓子の下ごしらえを語るようにあっさりと言ってのけた方法はペンウッド卿は言葉も出ない。
事実、戦時経済を狙う国連に対して、主要七カ国の内四カ国が国家経済であり、残り三カ国が大きな政府を維持していた。
そこの所については妥協が成立していた。
問題は国家主権と軍の統一指揮だが、愛歌はさもあっさりと己の手札をバラす。
「で、おじさま達にこう言ったのよ。
『私のお姉さまがあの艦隊にいるかもしれない』って」
それが何を意味するか理解してペンウッド卿は胃が痛くなる。
今揉めると漂流者艦隊が介入するだけでなく、どこかの勢力に肩入れする可能性を提示したのである。
しかも義父であるゴップ提督がそれを否定しなかったことで、愛歌の言葉は真実であるとして各国代表に受け止められた。
ある意味究極の問題の先送りだが、その先送りで得た砂時計の砂はダイヤモンド以上に貴重なものだった。
「でもね。おじさま。
私にも見えないのよ。
お姉さまが乗っているのなら、見えると思ったのにまるで
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ