仮面ライダーブラーボ/仮面ライダーグリドン
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は観念して語りだした。
「確かにアレは……多分、昔の傭兵仲間でしょうね」
「傭兵仲間、って……相手は……」
「ロックシードの元の実。アレを食べるとインベスになる……この前、水瓶座のボーヤから聞いたわ」
凰蓮は真剣そのものの表情でそう語る。冗談などと決して口に出来ない、傭兵だった頃のままの雰囲気の中……城乃内は、インベスに襲われて傷口から植物が生えてきて、ユグドラシルの専用病棟に搬送されていった患者のことを思いだす。
「初瀬ちゃん……まさか……」
「だからワテクシが引導を渡してやるわ。ボーヤの出る幕じゃないの」
無意識に行方不明になったままの友人のことを口に出す城乃内をよそに、凰蓮は作りかけだったケーキを完成させ、丁重に冷蔵庫に入れておく。すると机にベルトやロックシード、街の地図などを並べていった。
「大体は場所の見当もツいてるわ。まあアイツなら……この辺でしょう」
街のまだ緑が繁茂する未開発地域へと、凰蓮はひとまず大きく丸を書いていく。それから腕を組んで作戦を脳内で考え始める凰蓮に、意識を取り戻した城乃内はくってかかった。
「凰蓮さん! それなら俺も……」
「黙ってなさい! アータの出る幕はないわ!」
俺も戦う――という宣言を最後まで発することは出来ずに、城乃内の申し出を凰蓮は考える間もなく却下する。そのまま腕を組みつつ熟考に入る凰蓮に対し、城乃内は机の上にあった地図とロックシードを奪い取った。
「ボーヤ……!?」
「あのインベスは……俺が倒します!」
驚愕する凰蓮にそう宣告して、城乃内は店から飛びだしていく。すぐさまロックシードから専用バイク《ローズアタッカー》を取り出すと、凰蓮が地図で目印をつけていた場所に疾走する。
「待ちなさい! ボーヤ! 待ちなさい!」
凰蓮も同じくバイクで追おうとしたものの、城乃内がバイクを取り出すロックシードも持ち出していたことに気づく。弟子となって初めてかつ最大の城乃内の反抗に、凰蓮は自分のいつにない迂闊とともに舌打ちし、とにかくベルトを持って走っていった。
「くそっ、なんでこんなことしてんだよ、俺……」
ローズアタッカーを走らせながら、城乃内はそう毒づいた。無理やり自分を鍛え上げるとか言って、パティシエの修行までさせている勝手なおっさん。プロの大人を気取ってる癖に、喧嘩っ早くて頑固で意地っ張りで、インベスゲームにも乱入してくるような変なおっさん。
「そんなおっさんでも……俺の師匠なんだよな……」
最初は確かに無理やりだったけど、最近はパティシエ修行がひどく楽しい。自分が作り上げた品物が客に喜んで貰えるという、ある意味ビートライダーズのダンスにも似た快感。愚痴を言い合える修行中
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