仮面ライダーブラーボ/仮面ライダーグリドン
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にすると、跳び蹴りに直撃したオオカミインベスは爆散していった。最期までただの化け物に過ぎなかったが――それでも。ブラーボの仮面は、爆炎に晒されても何も変わらなかった。
「……アータは甘いのがキライだったからね。ビターに作ってあげたわ。部下と食べなさい」
そして後日。廃墟を臨む草むらに、無縁仏の墓に凰蓮はケーキを供えていた。世界的に機密であろうヘルヘイムに関わった者の末路として、彼らは誰にも知られずに永遠を過ごすのだろう。その境遇に同情していた凰蓮だったが、ため息まじりにあるロックシードを手にしていた。
『バッカモーン!恥を知りなさーい!』
「痛ぁっ!?」
凰蓮がロックシードを解放するとともに、木の陰からそんな悲鳴が聞こえてきたとともに、タライと城乃内がそこから出て来た。解放した凰蓮ロックシードは、弟子が粗相をした時にどこからともなくタライが頭上に落ちてくる、という効果を発揮するのだ。
「凰蓮さん! だからそのロックシードどうなってんすか!?」
「企業秘密よ。それより、ボーヤには店を任せてきた筈だけど?」
「それはまあ……ハハ」
誤魔化すように笑う城乃内に、凰蓮はもう一度大きくため息を吐きながら。とはいえ無関係ではないのだから、と城乃内にもその無縁仏の墓を見せた。
「それ……」
「ええ、あいつの墓よ。死んだ後は人間に戻れますようにってね」
とはいえ、あまり豪勢な墓を彼は望まないだろうから、そこら辺りの石を積み重ねて十字架を乗せただけだけれど。城乃内が無意識に手を重ねる姿を見せ、凰蓮ももう一度墓に向かって拝んでおく。
「いくら強くなろうが、最期がこんなんじゃ意味がないわ。アータにはそれを教えたいの。……いいわね、ボーヤ」
「……はい」
どんなに恵まれた力を得たとしても、最期が独りきりでは何も報われない。ならば重要なことは、とにかく諦めずに足掻いて生き残ることだと、凰蓮は傭兵生活から学んでいた。その果てに、自分のように夢を掴めれば最上だ、とも。
「つまりネバーギブアップよ。さ、シャルモンに戻りま――」
今度ばかりは何かを神妙に考えている城乃内に、凰蓮は肩を叩いておどけてみせる。準備は墓参りまでに全て済ませているとはいえ、そろそろシャルモンに戻ろうとしたところ――遠くから爆音が響き渡り、その方向からは黒煙が上がっていた。
「……でも、男には戦わなくちゃいけない時があるわ」
「凰蓮さんは……どっちなんすか? 性別」
いつもの憎まれ口を叩くぐらいには調子が戻った城乃内をはたきながら、凰蓮はその黒煙が上がった方向を見て、大体の位置の見当をつける。さらに空中を飛翔する量産型のアーマードライダーの姿を見て、やはりあの爆音と黒煙はインベスの
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