仮面ライダースナイプー飛散するestimate!-
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一体どーなってんのよ、もう!」
廃病院に響き渡る少女の声。それだけ聞けば想像をかきたてられる要素ではあるものの、あいにくとその廃病院の内部は少女の趣味らしいファンシーな小物と装飾で占められており、もはや少女の私室と言っても過言ではなく、廃病院のような要素などどこにも感じなかった。そもそも少女の私物が持ち込まれる前から、その部屋は普通の病院と遜色ない清潔さを保っていたが。
「『M』を倒すとか言ってる場合じゃねーな」
その廃病院の主も、最初は日に日に増えていく少女の私物に難色を示していたが、もはや諦めたのか何も言うことはなく。唯一その主のみのスペースとして許されている、リクライニング式の椅子にゆったりと腰かけてPCに目を向けながら、からかうように少女に声をかけていて。
「そっ……それは後でアイツに謝るから! それよりどうするのよ、大我!」
「……」
少女――西馬ニコが慌てて問いただしてくるのも道理で、流石の大我も株価を表示しているPCを閉じると、身体ごと椅子をニコの方に向けた。仮面ライダークロニクルの発売、ポッピーピポパポの離反、エグゼイドとパラドの関係、パーフェクトノックアウト。そして仮面ライダーゲンムの復活に、大我たちを取り巻く環境は急激な変化を見せていて、ニコの動揺もそれによるものだろう。
「オレたちのやることは変わらねぇよ。仮面ライダークロニクルの攻略だ」
「え? だってパラドとか、ゲンムとかはどうすんのさ?」
「そっちはエグゼイドと坊っちゃんに任せる。むしろあっちに目がいってる今こそ、仮面ライダークロニクルの攻略チャンスだ」
「なるほど! ……まあパラドはともかく、ゲンムはキモくて近づきたくないし」
ゲンムに関わりたくねぇしな――という言葉は飲み込んだ大我だったが、似たような言葉が心底嫌そうな顔をしたニコから放たれて、思わず鼻で笑ってしまう。しかして一瞬のうちに、そんな嫌そうな表情とは180度ほど変換され、気をよくしたニコが大我の背中を叩く。
「そういうことなら、他のバグスターはあたしが全部倒しちゃうからさ! 援護射撃よろしくね、主、治、医さん!」
「よせ! やめ……あ」
「あ?」
相変わらず表情がコロコロ変わる女だ、と大我が思うよりも早く、椅子から叩き落とすほどの威力がこもった激励が放たれて。主治医扱いも含めて止めようとした時、ふと大我はあることを思い出して、ピタリとその動きを止めていた。
「どうしたの?」
今度は不審げな表情に変わったニコに見つめられたまま、大我は肌身放さず身につけている、ライダーに変身するための道具兼武器である、ゲーマガシャットを全て取り出した。まずは変身用の《バンバンシューティング》、そして武器を召喚する《ジェットコ
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