第六十九話 戦艦人事協奏曲
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
将が一番大事な御召艦の話だけはしなかったと判ったのは、
1月に入り飛行長が就任した時であった。
そんなこととは露知らず。
なるほどと納得しあうと、
中将が読みながら渡し始めた辞令を恭しく受け取っていた。
「クリストフ・ドゥンケル少佐、卿を中佐に昇進、新造戦艦艤装委員長へ任命する」
「はっ謹んで拝命いたします」
小官が艤装委員長と言う事は艦長職かまさか直ぐに艦長に戻れるとは思わなかった。
「ハンス・エドアルド・ベルゲングリューン大尉、卿を少佐に昇進、新造戦艦艤装委員へ任命する」
「はっ謹んで拝命いたします」
「フォルカー・アクセル・フォン・ビューロー大尉、卿を少佐に昇進、新造戦艦艤装委員へ任命する」
「はっ謹んで拝命いたします」
「新造艦は皇帝陛下直属工廠で建造中で明年2月に完成する予定だ。
其れから航行試験を行い4月に竣工する予定だ。
その旨を考え準備して貰いたい、
また乗員の選定も卿等の推薦を元に決めることとする」
ハウプト閣下の元を退室した後。
3人とも非常に明るい顔をしている。
早速話し合い工廠へ向かうことにした。
地上車に乗り工廠へ着くが、守衛所で止められた。
新しい制服が間に合わずに皆一階級下の制服姿である。
怪しまれるのは当然だった、書類とIDを見せ納得して貰い、
その後工廠長の元へ案内された。
工廠長は眼光の鋭い40代後半に見える男だった。
「ドゥンケル中佐。話は聞いている、私は工廠長のシュミットバウアー中将だ」
「はっ」
「卿の預かる新造艦を見てみるかね」
眼光は鋭いが意外に話しやすい人物だった。
「お願いします」
中将自ら我々を案内してくれるそうだ。
部屋を出て、廊下の先からエレベーターに乗り地下ドックへ行く。
ドックを見る我々の前に今まで見たことのない形状の艦が鎮座していた。
呆然と眺める我々を見ながら。したり顔の中将が長々と説明を始める。
しまったこの中将はマッドだ!
新型傾斜装甲や新型機関、エトセトラと長い長すぎる、
ベルゲングリューンは居眠りを始めそうだ。
ビューローも目の周りを揉んでいる。
小官はじっと我慢して聞いている。
ジックリ2時間ほど掛かって中将の話が終わった。
話し終わると満足したらしく「後は勝手に見てくれと」帰ってしまった。
しかしこの工廠長がガチガチに緊張する日が来るとは当時は考えつきもしなかった。
途方に暮れる我々を見かねて造船主任が説明してくれた。
「ようこそ少佐、小官はタウベルト造船大佐です。この艦の造船主任をしております」
階級が少佐のママで間違えられた。
「大佐殿よろしくお願いします」
その後色々なところを見学し帰還した。
帰りに3人でゼーアドラーで呑んで親交を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ