ペルソナ3
1945話
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アーマーを美鶴に着せれば処刑されるかもしれないという事は聞いていたのだが、それでも……もしかしたら、本当にもしかしたら着るのではないか?
そんな思いからの行動だったのだが、美鶴は次の瞬間俺が取り出したハイレグアーマーを見て動きを止め、その近くでこちらの様子を見ていた山岸も、顔を赤く染めて俯く。
「ほ……ほう。それで、これをどうしろと? もしかして、私に着ろ、とは言わないよな?」
「いや、出来れば着て欲しいところなんだが。美鶴が着れば似合うだろうし」
「……ふぅ。アクセル。私は生憎と冗談は好きではない」
「いや、心の底から本気だが?」
「ほう、なるほど。そうか。ならば、こちらも相応の態度を取る必要があるだろうな」
ふふふ、と桐条グループ総帥の1人娘に相応しい、優雅な笑みを浮かべる美鶴。
ただし、その目は決して笑っていない。
うーん、やっぱり美鶴もハイレグアーマーを着るのは嫌なのか。
そんな風に思っていると、ふとゆかりがジト目をこっちに向けているのに気が付く。
それこそ、ハイレグアーマーの件で何か思うところがあったのか? と考えたのだが、こうして俺の方を見ている様子から、そうではないのだろうと判断する。
「どうしたんだ?」
「べっつにー。ただ、いつから桐条先輩がアクセルの事をアルマーじゃなくてアクセルって呼ぶようになったのか、とか。アクセルも桐条先輩の事を美鶴って名前で呼ぶようになったのか、不思議に思っただけよ」
別にと言ってる割には、その口調に不満そうな様子が強いのは明らかだ。
「何だ、嫉妬か?」
「ばっ、そんな訳ないじゃない! 馬鹿じゃないの? てか、馬鹿じゃないの!?」
2回言うのが出たな。
となると、結構図星だったりするのか?
……ちょっと意外ではあったが。
ただ、それを正直に言ったりすれば、間違いなくそれを認めたりはしないでこっちに向かって怒ってくるよな。
基本的に、ゆかりは気が強いタイプだし、尚更に。
「あー……そうか。なら、俺の気のせいって事にしておいてくれ」
「その、はいはい、分かりました。自分が引いておきます的な態度はどうなのよ?」
まだ納得出来た様子はないが、それでも少し前よりは大分いい感じになったのは間違いない。
その事に少しだけ安堵しつつ、俺は周囲を見回す。
特に何かがある訳ではないのだが、それでもゆかりの中にある怒りを多少なりとも落ち着ける事には成功する。
そんなゆかりの様子を確認してから、口を開く。
「俺が美鶴を美鶴と呼ぶようになったのは、この前の食事会からだな。食事会では美鶴の父親の武治も一緒にいたんだ。そんな中で美鶴を桐条と呼ぶわけにはいかないだろ?」
「武治って……もしかして……」
ゆかりが、どこ
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