第百三十九話 雨のバイク部その十
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「蕎麦だけじゃなくて」
「おつゆ黒いよね」
「それは変わらないな」
うどんのおつゆについてはというのだ。
「黒くて辛いぜ」
「やっぱりそうなんだ」
「というか昔から東京でもうどん食ってるぜ」
「あっ、そういえば」
僕も言われて思い出した、その思い出したことはというと。
「助六でも出ていたね」
「くゎんぺら文兵衛の頭にかけてるだろ」
「そうだったね」
「食うことは食うんだよ」
東京でもというのだ。
「ちゃんとな」
「お蕎麦が主流でも」
「一応な」
「そこは関西と逆さまで」
「お蕎麦が主でおうどんが従だよ」
「そうだね」
関西ではおどんが主でお蕎麦が従だ、これをうどん文化圏やそば文化圏と言う人もいる位だ。
「関東じゃ」
「特に東京じゃな、それで祖父ちゃんはな」
「お蕎麦なんだ」
「それと鰻が好きなんだよ」
この二つがというのだ。
「三河町の半七さんみたいだろ」
「じゃあお酒は駄目なんだ」
「そっちもな、ただ岡っ引きじゃなくてサラリーマンだぜ」
「あっ、そうなんだ」
「代々の江戸っ子でもな」
生まれはそれでもというのだ。
「職人じゃないぜ」
「江戸っ子イコール職人でもないね」
「店でもないしな」
「寅さんや両さんみたいに」
「祖父ちゃんの祖父ちゃんは大工でひい祖父ちゃんは公務員でな」
そしてというのだ。
「祖父ちゃんはサラリーマン、親父は銀行員だよ」
「代々お仕事は違うね」
「これでわかるよな」
「うん、東京も変わっていってるんだね」
「変わらないものなんてあるかよ」
それこそというのだ、よく変わる悪く変わるの違いはあれども永遠に変わらないものはない。
「この世にな」
「それはそうだね」
「だから葛飾も東京も変わってな」
「他のこともだね」
「人間もな」
つまり僕達もというのだ。
「そうなんだよ」
「そういえば君のお母さんは」
「静岡生まれって言っただろ」
「うん、今さっきね」
「東京って世界中から人が集まってな」
「ここと一緒だね」
「そのせいでどんどん変わってるんだよ」
僕にこう話してくれた。
「葛飾にしても」
「下町とはいっても」
「結構外国の人もいるぜ」
今はそうなっているというのだ。
「世界中の人が来て」
「じゃあ寅さんも両さんも」
「外人さんの相手してるだろうな」
現実の世界にこの人達がいたらというのだ。
「まあ寅さんはたまに帰って来る位だけれどな」
「日本中回ってるからね」
「まあそれでも外人さんに会ってるだろうな」
その日本各地でというのだ。
「それで惚れてな」
「マドンナって言って」
「追っかけてな」
その追っかけ方がストーカーに見えるのは気のせいだろうか、またお会いしや
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