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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第百三十九話 雨のバイク部その九
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 関東、それも東京の葛飾から来た同級生にイタワッチさんとのことを話すとこう言われた。
「それ今もな」
「言うんだ」
「うちの祖父ちゃんとかな」
「噛まずにだね」
「つゆは少し漬けてな」
 そうしてというのだ。
「一切噛まずに飲むんだよ」
「喉ごしを味わうんだね」
「それで蕎麦はざるそばだよ」 
 蕎麦といえばこのお蕎麦だというのだ。
「それなんだよ」
「やっぱりそうなんだ」
「ああ、けれどな」
「君は違うんだ」
「俺は噛むぜ」
 ざるそばでもというのだ。
「つゆも結構漬けてな」
「そうしてるんだ」
「ああ、あっちにいた時からな」
「そうだったんだ」
「ああ、噛まないとってな」
 お蕎麦でもだ。
「お袋に言われてきたんだよ」
「それでだね」
「お袋は静岡の人でな」
「静岡もお蕎麦有名だよね」
「けれどあっちは汁そばも結構食ってな」
 お蕎麦イコールざるそばではないということだ、とかく東京の方ではざるそばが主流とのことだ。
「噛むんだよ、ちゃんと」
「それでそう言われてたんだ」
「親父も祖父ちゃんも違うっていうけれどな」 
 江戸っ子の方はというのだ。
「俺は消化に悪いって言われて」
「噛んでるんだ」
「っいうか最近あっちでも噛む人多いからな」
 ざるそばをというのだ。
「風呂も普通になったぜ」
「特に熱くないんだ」
「ないさ」
 笑ってだ、僕に話してくれた。目の前では一年生がどんどんバウンドからのシュートを入れている。
 二年の順番が来るまでだ、僕達は話していた。
「こっちの風呂と同じ位だよ」
「熱いお風呂にさっとは」
「それも祖父ちゃんとかでな」
「君は違うんだね」
「じっくり入らないと疲れ取れないだろ」
「うん、お風呂はね」
「程々の温度のにな」
 お風呂は何の為にあるのか、身体を奇麗にする為だけれどそれと共に疲れを癒したり身体を温める為でもあってだ。
「これは自然とだけれどな」
「そうした入り方になったんだ」
「俺はな」
「何かその辺り色々だね」
「っていうか葛飾ってどう思うんだ?」
 彼は笑って僕に自分の出身地のことを聞いてきた。
「一体」
「やっぱり寅さんとか両さんとか」
「そういうのだよな」
「東京の下町で」
「イメージはそれだけれどな」
「現実は?」
「親しみやすい場所なのは事実さ」
 このことは寅さんや両さんそのままだというのだ、とはいっても寅さんは日本のあちこちを回っているけれど。
「けれど変わっていってるんだよ」
「時代によって」
「そんな蕎麦を噛まない、熱い湯にさっともな」
「変わってるんだね」
「そうなんだよ」
 実際にというのだ。
「そこはな」
「そうなんだね」
「うどんも結構食うしな」
 
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