暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
「わかりません」
[6/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
下というモンスターであろう。入口に潜んでいた個体が両手の鎌を――というか両手が鎌であるといった方が正しいが、とにかく鎌を振るってくるが、よりリーチの長い竜人ギルバートの薙刀が胴体を両断する。

「うぇ……こっちは、ま、任せなさいショウキ!」

「あの」

「出来るだけ引き寄せ――え?」

「フレー、フレー」

「あー……ありがとう」

 そうして寄生虫の位置を探ろうと聖樹に目を凝らす竜人ギルバートと、どこか気の抜ける応援を相変わらずの無表情な黒髪の少女、二人のNPCの護衛を変わらずメイスとバックラーを構えるリズに任せながら。それでもカマキリたちに苦悶の声をもらす彼女には、出来るだけ戦わせまいとショウキは疾走する。

「よし……」

 とはいえヘイト集中スキルなどは持ち合わせていないため、どうやって群体を相手に囮になるか考えていなかったが。どうやら聖樹に一直線に向かうショウキに、寄生虫が何やら指示でも出したのか、手下カマキリたちは一斉に向かってくる。結果オーライだと安心するショウキの眼前に、人型カマキリがすぐ立ちはだかり、無手のままだったショウキへその手鎌を振りかぶる――

「……ナイスな展開じゃないか」

 ――ことは叶わず。突如として放たれた細剣に、人型カマキリは首を正確に貫かれていた。倒れ伏してポリゴン片と化す人型カマキリから解放され、地面に転がった細剣を蹴り飛ばすと、前方で待ち構えていた人型カマキリの足に突き刺さった。

「せやっ!」

 さらに空中から襲いかかってきた人型カマキリ複数体は、出現した鎌を両手で力任せに振るうことで、先程のギルバートの薙刀にやられた個体よろしく胴体をまとめて両断されて。重量のある鎌を振り回す隙を狙ってきた個体は、鎌が消える代わりに出現した大盾に攻撃を防がれ、カウンターに放たれたシールドバッシュに麻痺させれて。

「……っと!」

 盾が消えることでショウキと対面し、バットの如く腰をいれてフルスイングしたメイスに、顔面を粉砕されながら吹き飛ばされて。そのまま聖樹に向かって攻め込めば、寄生虫に指示されたのか無理やり割り込んでくる人型カマキリの集団を、先程まで持っていたはずのメイスではなく大剣で薙ぎ払う。ただしこれ以上に足を踏み入れることはなく、もう充分にヘイトは稼げたとばかりにバックステップで退いた。

「……悪いな、持っててもらって」

 そうして後退した先には、蹴り飛ばした細剣で膝を穿って身動きを封じていた人型カマキリがおり、丁重なお礼とともに細剣を引き抜いた。継続ダメージにHPが削られていたのか、引き抜くとともにポリゴン片と化してしまったけれど。その細剣も手からストレージに消えていき、再び無手へと戻っていくけれど、それはただの見せかけでしかなく。

 そ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ