ペルソナ3
1944話
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ていた荒垣も、黙り込む。
実際、ここで死神が姿を現せば、こちらとしても色々と面倒なのは事実なのだ。
そうならない為には、やはり死神が姿を現す場所から少しでも早く脱出する……というのが最善の選択だと、2人共分かっているのだろう。
「分かったわよ。……はい、これ!」
それでもまだハイレグアーマーが出てきた事に納得出来ないのか、ゆかりは機嫌を完全に直した訳ではないまま、手に持っていたハイレグアーマーを俺に渡してくる。
正直なところ、ゆかりの本音としてはハイレグアーマーは出来れば捨てたいのだろうが……俺がそれを許すとも思っていないのだろう。
受け取ったハイレグアーマーを空間倉庫の中に収納すると、改めて口を開く。
「さて、次の番人シャドウがいるのは、恐らく結構先になる筈だ。階段を見つけたら、すぐ次の階に向かうぞ。……宝箱とか、残念だけど」
残念というところで何かを感じたのか、ゆかりが一瞬鋭い視線を俺の方に向けてきたが、死神と遭遇するのは嫌だったのか、それ以上口に出すようなことはせず、大人しく探索を再開する。
「おい、アルマー。あまり岳羽を刺激するような真似はするなよ。お前があいつに恨まれるのはいいけど、俺まで巻き添えにするな」
不満そうな様子を見せる荒垣。
まぁ、荒垣にしてみれば、ゆかりというのは自分よりも格上の存在だ。
勿論生身での戦いという一点においては、荒垣はゆかりよりも上なのは間違いないが……ペルソナを使った戦闘という意味では、ゆかりに軍配が上がる。
どうやったところで、以前何度か模擬戦をしており、カストールではイオに勝てないと身に染みて理解しているのだろう。
もっとも、以前俺が戦ったようにカストールが暴走すれば、イオに勝つ可能性もあるのだが。
「ああ、気をつける。……けど、ハイレグアーマーが出てきたのは、別に俺が悪い訳じゃないだろ?」
「そりゃあそうだが……」
俺の言葉に同意して何かを言おうとした荒垣だったが、ゆかりが視線を向けたのに気が付いたのか、それ以上は口を噤む。
「何してるの。早く行きましょ。こんな階には、これ以上いたくないわ」
こんな階というのが、ハイレグアーマーの宝箱にあるというのは、明らかだ。
正直なところ、もう少しハイレグアーマーを探してみたかったのだが……今の状況でそれを言えば、イオが召喚されてガルが飛んで来かねない。
そうならない為には、やはり早くこの場を去った方がいいだろう。
「分かった、じゃあ行くぞ」
そう告げ、少しだけ名残惜しい感じを押し殺しながら、俺はゆかりや荒垣と共に56階に続く階段を探すのだった。
「来たな」
タルタロスを進み続け、やがてその階……59階に到着したところで、
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