第四十八話 一山越えたら水着回とか安くない?
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、今現在は御坂さんや白井さんをはじめ湾内さんも泡浮さんも制服だ。それに対して、婚后さんは和装の着物姿である。
「今日は常盤台の生徒として来たのではありませんのよ。一人のモデルとして参上しましたの」
白井さんの注意にも全く動じること無く婚后さんが答える。これだけ堂々と主張されると、校則違反は間違いないはずなのに婚后さんの言っていることが正論に聞こえてくるから不思議だ。
「モデルって……貴女も?」
「えっ? ということは、まさか……」
白井さんの言葉にやっと状況が飲み込めたらしい婚后さん。
「固法先輩も水着のモデルを?」
「ええ、いつも通ってるジムで、ジャッジメントの先輩に頼まれちゃって。貴方たちは?」
初春さんが尋ねると、固法さんがモデルを引き受けた経緯を教えてくれた。固法さんは今までの話の流れから俺達が水着のモデルだと言うことは把握しているようで、モデルになった経緯の方を聞き返してきた。
「私達は水泳部の子達に頼まれて……」
固法さんの疑問に御坂さんが答え、常盤台の水泳部の二人を紹介する。水泳部の二人は揃って固法さんに頭を下げていた。
「見た所、皆さん初めてのようですから、色々と教えて差し上げますわ。わたくし、子供の頃からモデルをやってましたのよ」
最初の方は純粋に厚意から来る言葉なのだろうが、後に続いた自慢話で見事にそれを帳消しにしている。というか、婚后さんが続けた話は、自分の家で使用人相手にファッションショーまがいのことをやっていただけのようにしか聞こえなかった。
「オーディエンスって、ご自宅の方でしょうに……」
「さ、早く参りましょう。試着室に案内してくださる?」
「あ、はい。こちらです」
白井さんの呆れたようなツッコミも意に介さないのか完全に無視なのか、婚后さんは担当さんを連れて先に行ってしまった。
「お知り合いなんですか?」
「知り合いたくはありませんでしたけど……」
初春さんが尋ねると白井さんは嫌そうに答えていた。
「それじゃー、どれでも好きな水着を選んで下さいね」
『はーい』
担当さんに言われて全員が返事をする。一応、カーテンで仕切られた試着室があると言うことで、俺も皆と一緒に水着を選ぶことになった。
「ねえねえ、神代さんはどんなのを選ぶの?」
「そうねぇ、ウチはどんなのにするかなぁ」
佐天さんには買い取りさせると言っておいたのでやって来ることは無かったのだが、何故か御坂さんがやってきて俺の選ぶ水着に興味津々と言った感じである。
「これなんてどう?」
「ん? あー、本格的に泳ぐんだったらそういうタイプが良いかもねー」
御坂さんが持ってきたのは競
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ