第一章
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大雨の中でも
東成ガス太郎の力の源はガスである、体内から無尽蔵に生み出すそのガスの力で戦い大阪の街と人々を守り救っている。
そのガス太郎にだ、子供達はある日心配そうに聞いた。
「火とか怖くない?」
「大丈夫?」
「爆発とかしないの?」
「ガス太郎さんは身体の中にガスがあるのに」
「そっちは平気なの?」
「ははは、大丈夫だよ」
ガス太郎は子供達に笑って答えた。
「僕の場合はね」
「本当に?」
「大丈夫なの」
「火があってもなんだ」
「爆発しないんだ」
「そうしたことはないの」
「そう、ないから」
こう言うのだった。
「安心してね」
「本当に?」
「本当に何もないの?」
「爆発とか起きないの」
「それはどうしてなの?」
「ガスなのに爆発しないの?」
「僕のガスは僕がコントロールしているからなんだ」
だからだというのだ。
「爆発はしないよ、ただ水はね」
「あれっ、この前スーパー銭湯に行ってたよね」
「それでお風呂楽しんでたじゃない」
「お風呂はいいの?」
「お湯は」
「うん、そっちもね」
全くとだ、ガス太郎は子供達にまた答えた。
「大丈夫だよ、どうしてお水が嫌いかっていうと」
「どうしてなの?」
「そのことは」
「前から爆発しないことも気になっていたけれど」
「そのことも気になっていたけれど」
「火を点けた時にね」
ガス太郎の力であるそれでだ。
「消されるからなんだ」
「ああ、だからなんだ」
「お水は好きじゃないんだ」
「そうなんだ」
「そうだよ、だからね」
それでとだ、ガス太郎は子供達に自分がどうして水を嫌っているのかを話した。
「僕はお水が嫌いなんだ」
「そうだったんだ」
「それでお水が嫌いだったんだ」
「そうだったんだね」
「そうだよ、だからお風呂に入ったりお水を飲むのは平気だよ」
そうしたことはというのだ。
「だから安心してね」
「うん、わかったよ」
「それじゃあね」
「これからも宜しくね」
「大阪の街と僕達を護ってね」
「そうしてね」
「そうさせてもらうよ」
是非にとだ、ガス太郎は子供達に約束した。そうしてだった。
ガス太郎は大阪の街と市民達の為に戦い働き続けた、だが。
雨の日にだ、大阪の街を狙う邪悪の化身ジャビット団が大阪の街に何と空から攻め込んできた。しかもこの日は大雨だった。
「こんな時に来なくてもいいのに」
「全く、迷惑な奴等だよ」
「飛行船からどんどん来るぞ」
「参ったな」
空にはとてつもなく大きな飛行船があった、そこからジャビット団の面々はパラシュートで次から次に降り立ってきている。大阪の市民達はその彼等を見て困った顔でいた。
「早く何とかしないと」
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