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儚き想い、されど永遠の想い
183部分:第十四話 忍び寄るもの九

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第十四話 忍び寄るもの九

 礼儀正しい態度でだ。義正に話してきた。
「もう一つ宜しいでしょうか」
「アイスをですね」
「はい、宜しいでしょうか」
 こうだ。義正に言うのだった。
「もう一つ」
「私もです」
 義正もだとだ。彼は笑顔で応えた。
「そうさせてもらうつもりです」
「そうですか。義正さんも」
「二人で食べましょう」
 義正は優しい声でだ。真理にこう話した。
「二つのアイスを」
「二つのアイスをですか」
「はい、二人で」
 そうして食べようというのだ。これが二人の考えだった。
「そうしましょう」
「わかりました。それでは」
「はい、二人で二つのアイスを」 
 こうした話をしてだ。二人はアイスをまた頼んでそのうえで食べるのだった。
 その二つ目、彼にとっては今回もだ。そのアイスを食べながらだ。義正は真理に対してだ。彼が考えていることを話したのだった。
「それでなのですが」
「あのことですね」
「はい、あのことです」
 まさにだ。そのことをだというのだ。
「あのことについてですが」
「義正さんのご両親とですね」
「既にその日は考えています」
 日時はだ。既にだというのだ。
「その日はです」
「その日は」
「今から十日後で宜しいでしょうか」
 日はだ。義正からだった。
「その日で」
「はい、それでは」
 反論することも断ることもなくだ。真理はだ。
 義正のその提案にだ。意を決した顔で頷いた。
 そしてそれからだ。彼女はこう言うのであった。
「八条家のお屋敷に」
「参りましょう」
「そうして義正さんのご両親とですね」
「既に父上も母上もです」
「御存知なのですね」
「はい」
 それはだ。もうだというのだ。
「御耳にです」
「入っておられるのですね」
「その通りです。それではですね」
「御互いに知っていてですか」
「あと必要なものは」
 それはだ。何かというとだった。
「勇気です」
「勇気ですか」
「私達に今必要なことはそれです」
「勇気を出して。あの時の様に」
「こうしてわかったのですが」
 二人でいて。そして舞踏会の場においてだ。どうかというとだった。
「愛にも勇気が必要です」
「そうですね。それは」
 真理もだ。その言葉に頷くのだった。
「それがなくてはです」
「愛は貫けませんね」
「そして最後まで辿れません」
 それもだ。勇気がなくてはだというのだ。
「とてもです」
「勇気は戦う為のものだけではなくですね」
「はい、愛についても」
「必要だからこそ」
「勇気です」
 また言う義正だった。

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