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転生とらぶる
ペルソナ3
1943話
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 食事会そのものは、最初に俺と桐条の父親、桐条武治が話をする時の微妙に雰囲気が悪い状態とは違い、和やかに進んでいく。
 もっとも、武治は決して喋り上手という訳ではく、美鶴の方も父親に対して上手く言葉には出来ないのか、どこか遠慮したような雰囲気がある。
 そうである以上、この場で色々と話題を提供する事になるのは、俺の役目だった。

「ほう、それでアルマー君が有里君と模擬戦をしたのか」
「はい、お父様。その……私としては情けないのですが、どうしてもタルタロスの攻略状況ではアクセルに追いつけず、門番シャドウと呼ばれているシャドウは全部アクセルに倒して貰っている状況です。それはいいのですが、そうなるとどうしてもこちらの戦闘経験が少なくなり……」

 美鶴の言葉に、武治は納得したように頷く。

「何にせよ、経験というものは色々と重要なのは間違いない。特に美鶴達が挑んでいるのは、命懸けの戦いだからな」
「はい」
「まぁ、今は山岸も美鶴達のチームに入るようになって、美鶴も戦闘に参加するようになったんだ。攻略速度は今までよりは上がるだろ。……もっとも、山岸を守る人員を残す必要を考えると、戦闘が可能な人数は少ないが」
「うむ。……そこが痛いところだ。出来れば全戦力をタルタロスの攻略に投入したかったのだが……お父様、死神という存在については報告したと思いますが」
「ああ。あの強力なシャドウだな。……正直、報告にあったような強力なシャドウがタルタロスの中を自由に動き回っているというのは、非常に危険だと思うのだが……」

 悩ましい表情を浮かべる武治。
 娘の事が心配なのだろう。
 また、見るからに色々とストレスを感じているようにも見える。
 ……まぁ、影時間の事を考えれば、それも当然かもしれないが。

「そこまで気にする事はないと思うけどな」

 なので、そんな武治のストレスを少しでも解消してやろうと、酢豚を食べながらそう告げる。
 ちなみにこの酢豚、普通の酢豚とは違ってタマネギやニンジン、ピーマン、タケノコといった野菜や、パイナップルは入っていない。
 豚肉だけを使った、黒酢の酢豚だ。
 ……個人的には、パイナップルが入った酢豚ってのは結構好きなんだが。
 豚肉の濃厚な旨みと、黒酢の酸味が口の中で合わさり、かなり美味い。
 そんな黒酢の酢豚を食べながらの俺の言葉に、武治は視線を向けてくる。

「どういう事かな?」
「簡単な事だ。あの死神は、今のところ俺の前にしか現れていない。向こうがどんな意図を持っているのかは分からないが、俺にご執心というのは間違いないらしい」

 実際、あの死神がどんな意図で俺を狙っているのかというのは、全く分からない。
 考えられるとすれば、一番強いという点で俺を狙っているのか……もしくは、
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