第67話『開戦』
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に度肝を抜かれた。何と奴らは全て、鎧を身に纏った人型の骸骨だったのだ。どうやら武器は異なるようで、弓を持つ者も居れば、剣や槍を持つ者も居た。
「何だよあの数! 三桁は居るぞ!」
「奴らは魔王軍の兵士、"無魂兵"。その名と見た目の通り、死者の骸骨が兵士となっておるのじゃ!」
「じゃあ遠慮は要らないってことですね?!」
「不死身ではあるが、粉々にしてしまえば動くことはない! やっておしまい!」
「「了解っ!!」」
やはり魔王軍の強さは伊達ではない。相手の取るであろう行動を先読みして手を打っているからだ。となると、魔王軍は既にこの先に居るのかもしれない。だったら急いでこの軍勢を突破する他無いだろう。
「鎌鼬っ!」ヒュ
相手は骸骨なので、この技も遠慮なく放てる。晴登が放った風の刃は数体の骸骨の胴体を両断していった。
しかし数が数。一撃だけでは減った様子すら見られない。
「だったら何発も…!」
「三浦、力の無駄使いをするなよ。コイツらはあくまで雑魚なんだから」
「あ…はい!」
終夜の忠告を受け、晴登は敵の術中に嵌っていたことを悟る。そうだ、この後には幹部の相手もしなければならない。ここで疲れては元も子もないのだ。
どうにか突破する方法はないだろうか。そう考えていたその時、終夜が晴登の前に立った。
「だから俺が・・・道を開くぜ!」ドゴォン
「え、うわっ!?」
突如、真っ黒な閃光と轟音が地面に解き放たれる。空気がビリビリと震え、衝撃波が晴登達を襲った。
「何だ今の・・・って、道が…!?」
「突っ込むぞ!」
恐る恐る正面を見ると、なんとそこには、無魂兵の軍勢の中央を貫いて道ができていた。今の一撃でそこらの無魂兵が消し炭になったのだろう。さながらブラックカーペットである。
「けどまだ半分も倒せてないわ!」
「数が多すぎる! 俺の一発でも無理か…」
ここに時間を取られている暇はない。一刻も早く、結月を助けに行かなければならないのだ。そうなると・・・
「ここに誰か残って、引きつけるしかない…」
「「!!」」
まさに、伸太郎の言う通りである。この数の無魂兵を相手にするには時間が惜しい。であれば、この軍勢を囮の誰かが抑えつつ、結月を救出しに先に進まなければならないのだ。しかも先のことを考慮すると、実力者の終夜やカズマが囮役をするのは適切ではない。となると・・・
「俺が残り──
「「俺らが残ります!!」」
「・・・え?」
晴登が囮役を買って出ようとした時、それ以上の気迫で申し出た人達が居た。なんと二年生達である。晴登の頭上に"?"が浮かぶ
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