第二章
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するとだ、猛虎は。
何とマッハ三の剛速球を何百球も投げ変化球は大小合わせて五十種類も投げられて打つとこれがだった。
打率十割、しかも全ての打球が数キロメートルの飛距離を見せた。監督もこれには驚いてこう言った。
「凄いなんてもんやないです」
「こんなに凄いなんて」
「流石大阪を護る戦士ですね」
「いや、凄いですわ」
「わし等も驚きました」
「もう人間の能力ちゃいますで」
「超人ですわ」
「大阪二十六戦士の力はこれだけですか」
監督だけでなく市民達も驚くばかりだった、それでだった。
監督は思わずだ、猛虎にスカウトをかけてしまった。
「あの、よかったら阪神に」
「入団してですか」
「阪神優勝させてくれますか?」
こう言ってスカウトをかけるのだった。
「ここは」
「有り難い申し出ですが」
猛虎は自分をスカウトした監督に申し訳なさそうに答えた。
「それは出来ません」
「大阪を護る戦士やからですか」
「はい」
その通りという返事であった。
「そうですさかい」
「阪神の為には戦えませんか」
「これからも大阪を護る為に戦います」
それが猛虎の、大阪二十六戦士の務めだというのだ。
「そうしていきます」
「そうですか、ほな」
「はい、阪神はお任せします」
監督、そして選手達にというのだ。
「わしは大阪を護って」
「阪神を応援してくれる人達も」
「そうしていきますから」
「わかりました、ほな今年こそは」
「阪神を日本一に」
「しますわ」
監督は猛虎に熱い声で約束した、そうしてだった。
猛虎が先に手を差し出してだった、彼と監督は熱い握手をした。そうして阪神タイガースは日本一になる為に猛練習を行いに甲子園に戻って行った。
猛虎は残った大阪市民達にその手にあるバットを掲げて誓った。
「これからも大阪の為に戦うで」
「頼むで!」
「やっぱり猛虎さんは戦士やしな」
「大阪の為に戦ってな」
「そのバットで」
「そうしてな」
「ああ、そうするで」
このことを約束する猛虎だった、そうしてこの日も大阪を護ることを誓うのだった。だが阪神の試合についてはこう言った。
「今日もええな」
「そやな」
「巨人フルボッコにしてるわ」
「一回で十五点取ったわ」
「今日も圧勝や」
「そうなるわ」
「そや、阪神に負けん様にわしも頑張るで」
同じ虎として笑顔で言っていた、彼は戦士であると共に阪神を愛する大阪市民でもあった。
野球をしてみた 完
2018・1・21
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