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儚き想い、されど永遠の想い
18部分:第二話 離れない想いその三
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第二話 離れない想いその三

「彼等もそれを望んでいますし」
「こうした対応をなんだね」
「はい、望んでいます」
 彼等の態度を見ればだ。すぐにわかることだった。
「だからです」
「それを受けないということは」
「それは失礼にあたります」
 義正にこうも話すのだった。
「彼等に対してです」
「礼節を受けないというのはね」
「そうです。それにです」
「それに?」
「この際百貨店の中を見回りましょう」
 要するにだ。視察というわけである。
「それも兼ねてです」
「受けるんだね、ここは」
「それがいいです」
 また言う執事だった。
「八条家の者として。見回るのもです」
「大事だね」
「それを忘れてはなりませんから」
「わかったよ。どうやら僕は」
 少し苦笑いをしてだ。述べる義正だった。
「気軽に遊びながら。そのうえで真面目に仕事もしなくてはいけないんだね」
「それが今になりますね」
「そういうことだね。じゃあ」
「はい、見回りましょう」
 こうしてだった。彼は百貨店の中を案内されてそのうえで買い物をすることになった。だがここでだ。彼は店員達にこう話した。
「普段通りで御願いします」
「普段通りですか」
「普通に仕事をですか」
「するといいのですね」
「はい、御願いします」
 まさにそれだというのである。
「それで」
「ですがそれでは」
「案内する者がいませんが」
「そうです。それがです」
「困ると思いますが」
「確かに」
 言われてだ。義正もそのことを考えた。
「その通りですね。それは」
「そのことは御心配なく」
 だがここでだ。一人の恰幅のいい人物が出て来た。
 くすんだ黄色のスーツにベストという格好をしている。口髭を生やしそれがワックスで丁寧に固められている。その彼が出て来て言うのであった。
「私が案内させてもらいます」
「店長さんがですか」
「はい、そうです」
 その紳士こそがこの百貨店の店長である。背は義正より低い。だがそれでもだ。その威風は堂々としていて彼と並んでも遜色ない。
 その彼が出て来てこう彼に言ったのであった。
「責任者が案内すればいいかと思いまして」
「そうですね。確かに」
 その言葉にだ。義正も頷く。
「それでは。店長さんが案内してくれるということで」
「それを御願いします」
「わかりました。それでは」
 こうしてであった。義正は執事を連れ店長の案内を受けてだ。百貨店のあちこちを見回り買い物を楽しんだ。買ったものは様々で多くに渡った。
 それが終わり店を出てからだ。義正はこう執事に述べた。
「いいお店だったね」
「そう思われますか」
「品揃えがいいね」
 まず指摘したのはそのことだった。
「それに」
「それに
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