第一章
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気は優しくて
東淀川マンモスは子供達に人気がある、それは大阪ひいては大阪の子供達の為にいつも戦っていて彼等を護っているからだけではない。
日々子供達と一緒に遊んでその心優しい性格も見せている、だから子供達に人気があるのだ。だがマンモス本人はこのことを誇ることも驕ることもない。
「僕は何も出来ないからね」
「何も出来ない訳じゃないよ」
「マンモスさんとても優しいしね」
「力持ちで強くて」
「物凄くいい人だよ」
子供達はそのマンモスに言う。
「だからね」
「僕達も大好きなんだよ」
「マンモスさん大好きなんだよ」
「それでよ」
「だといいけれどね」
マンモスは自分を慕う子供達にこう返した。
「皆がそう思ってくれてるなら」
「うん、いいよ」
「だからこれからも一緒に遊ぼうね」
「楽しくね」
「そして何かあったら」
「その時は」
「勿論だよ」
異論はなかった、マンモスにしても。
「何かあったらその時は」
「戦ってくれるんだね」
「そうしてくれるんだ」
「悪い奴等が大阪に来たら」
「出て来たりしたら」
「そうするよ、何があっても」
その時はとだ、マンモスは子供達に約束した。そうして京方面からの大阪への入り口である東淀川区を中心に大阪を護っていた。
その東淀川区、京都から来る道にだった。この日恐ろしい者達が迫っていた。
「えっ、こっちになんだ」
「そう、来るから」
「東京からジャビット団がまたね」
「僕達も今からそっちに行くよ」
「けれどまずはね」
「東淀川区にいる君に頼むよ」
大阪を護る他の二十六戦士達はマンモスにスマホのラインで話した。
「まずはね」
「僕達が来るまで防いでくれるね」
「その時まで」
「大変だと思うけれど」
「わかったよ」
マンモスは彼等の申し出にすぐに答えた。
「それまで任せて」
「すぐに行くから」
「それまで待っていて欲しい」
「持ち堪えていてくれ」
他の戦士達もすぐに来ることを約束した、そのうえで。
マンモスは一人ジャビット団が来る場所に向かった、そこは東京から京都を素通りして行ける線路だった。
ジャビット団は列車に乗って大阪に直接乗り込んで来るつもりだったのだ、だからマンモスは駅に入った。するとそのマンモスに子供達がエールを送った。
「頑張れ!」
「マンモスさん負けるな!」
「ジャビット団なんかやっつけろ!」
「どれだけ来てもマンモスさんなら平気だよ!」
「皆任せて」
マンモスはその彼等に笑顔を向けて応えた。
「僕は絶対に勝つよ」
「うん、マンモスさんの応援見てるよ」
「駅でね」
「ジャビット団は卑怯な奴等だけれど」
「自分達が勝つには手段を選ばないけれど」
卑怯
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