第2章
戦闘校舎のフェニックス
第25話 約束、守りに来ました!
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でもな、これだけは言わせてもらうぜ! お前に負けて気絶したとき、うっすらと覚えてたことがある──部長が泣いてたんだよ! 俺がてめぇを殴る理由は、それだけで十分だァァァッ!!』
ドゴォォンッ!
『がぁっ!?』
イッセーの渾身の左ストレートが、ライザーの腹部にめり込む。
ライザーは悲鳴をあげることなく、腹部を押さえながら、後ずさる。
『・・・・・・・・・・・・こ・・・・・・こんなことで・・・・・・お・・・・・・俺が・・・・・・!?』
ライザーはそのまま、前のめりに倒れ込む。
『お兄さま!』
ライザーの妹が乱入し、ライザーを庇うように、イッセーの前に立ち塞がる。
イッセーは拳をライザーの妹の前に突き出し、高々と告げる。
『文句があるなら俺のところに来い! いつでも相手になってやる!』
『っ!』
ライザーの妹がイッセーの気迫と言葉に顔を赤く染めていた。
あっ、あの反応はもしや?
まぁ、ともかく、勝負はイッセーの勝ちで幕を下ろした。
―○●○―
イッセーが部長を連れ、俺たちのところまでやって来た。
「やったな」
「ああ」
俺たちは短い会話をし、ハイタッチをする。
「そういえば、もうひとつの魔方陣はなんなんだ? 部長を助けたときに役に立つって言ってたが?」
「ああ、そういえば」
イッセーは魔方陣を取り出し、宙に掲げると、魔方陣が光りだし、魔方陣から何かが召喚された。
キュィィィィィッ!
「な、なんだ!?」
召喚されたのは、獅子の体、鷹の頭と翼を持った獣だった。
「グリフォンね」
部長が現れた獣の名を口にする。
これがグリフォン。この目で実物を見るのは初めてだった。
たぶん、これに乗って帰れってことだろうな。
まさか、いざってときの逃走用なんてことは流石にないはずだ。
「あらあら。うふふ。せっかくですから、イッセーくんが部長を送ってさしあげたら?」
「えっ? 俺が!」
「当たり前だろ。今回、姫を助けた勇者さまはおまえなんだからな」
「そうね、お願いできるかしら?」
「ぶ、部長のご命令なら!」
イッセーはグリフォンの背に乗り、部長の手を取って前に乗せた。
何気に絵になってるじゃねぇか。
「先に部室で待ってるから!」
イッセーの言葉と同時にグリフォンが翼を羽ばたかせ、上空へ飛び去っていった。
「あのグリフォン、最悪の場合の逃げ道として用意したんだが」
いつの間にか、俺の隣に来ていた魔王、部長の兄貴がそんなことを口にした。
おいおい、まさかが的中しやがったよ。
「ほら、人間世界の映画に、そのようなものがあっただろ?」
「現実と映画
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