第2章
戦闘校舎のフェニックス
第25話 約束、守りに来ました!
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づいたようだが、すでに遅く、イッセーは口で瓶の蓋を取り、ライザーに聖水を浴びせていた。
『「赤龍帝からの贈り物」ッ!』
『Transfer!!』
『しまっ──』
聖水の聖なる力が強化された瞬間、聖水がライザーの身を焼いていく。
『ぎゃああああっあああっ!? ぐぅっ・・・・・・ぐっ・・・・・・あっ・・・・・・ああぁっ!? あぁぁぁっぁぁっ!?』
ライザーは顔を手で押さえ、激しく絶叫する。
「ライザーの炎が!」
木場の指摘通り、ライザーの炎の勢いが衰えていた。
「強化された聖水が、体力と精神を著しく消耗させているのでしょう」
会長がライザーの身に起こっていることを解説してくれた。
灰の中から復活する不死鳥でも、精神だけは瞬時に回復できない。つまり、心までは不死身ではなということだ。
『アーシアが言っていた! 十字架と聖水が悪魔は苦手だって。それを同時に強化して、同時に使ったら、悪魔には相当なダメージだよな!』
ライザーは無言で震えながら立ち上がり、震える手に炎を集め、イッセー目掛けて炎を撃ち出すが、イッセーはジャンプして避ける。
『木場が言っていた! 視野を広げて相手を見ろと!』
イッセーは着地すると、十字架に残りの聖水をかける。
『Transfer!!』』
『朱乃さんが言っていた! 魔力は体全体を覆うオーラから流れるように集める! 意識を集中させて、魔力の波動を感じればいいと!』
十字架と聖水を同時に強化し、イッセーは腕を前に突き出す。
『小猫ちゃんが言っていた! 打撃は中心線を狙って、的確に抉り込むように打つんだと!』
イッセーは合宿での木場たちの教えを高々と復唱する。おそらく、あれにはゲームで散り、無念の想いを抱いた木場たちの想いを込めて言っているのだろう。
イッセーの復唱に木場たちは笑みを浮かべる。
『明日夏が言っていた! 相手のスキを見つけたら、そこに全力を叩き込めと!』
さらに俺の教えまで復唱された。
あいつ。俺がゲームに参加できず、歯痒かった想いも込めてくれてるのか?
イッセーの気迫にライザーは焦り、慌てふためきだす。
『ま、待て!? わかっているのか!? この婚約は、悪魔の未来のために必要で、大事なものなんだぞ! おまえのように何も知らないガキが、どうこうするようなものじゃないんだ!?』
命乞いのような説得をするが、イッセーが引き下がることはなかった。
『難しいことはわからねぇよ! 俺はただ、親友に言われたことをやるだけだ! 余計なことは考えず、おまえをぶっ飛ばし、部長を奪い返す!
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