帰ってきたマグノリア
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
それがルーシィさんの不安材料なのかと思っていたが、どうやら違うらしい。
「残ってるか不安なのはみんなの心・・・突然ナツが現れて妖精の尻尾復活だーっていう話になって、あたしちょっと舞い上がっちゃって・・・
1年間1回も連絡取ってなかった仲間たちに手紙を送ったの、所在がわかる人だけだけど・・・妖精の尻尾を復活させるためにマグノリアに集まろうって」
裏で彼女がそんな風に動いていたとは知らなかった俺たちは驚きを隠せない。しかし、それゆえに彼女の顔が暗い理由は想像できる。
「冷静に考えれば、みんなそれぞれ自分の道を進んでる。あたしたちの想いがみんな一緒かはわからない。みんな・・・もうギルドのことなんか忘れてるかもしれないし・・・あたし・・・」
「1年くれーで忘れるかよってんだ」
小刻みに震え、今にも泣き出しそうになっていた彼女の後ろから腕を回した女性。そこには酒瓶を片手に1年前とは服装も髪型も変わっているカナさんがいた。
「カナ!!」
「カナさん!!」
「お久しぶりです!!」
懐かしい顔にやはり喜ぶ気持ちを抑えられない。ほろ酔い気味のカナさんは俺たちに手を振る。
「よぉーっ、ナツ、ハッピー、シャルル、セシリー。あ!シリルとウェンディ、ちょっと大きくなったんじゃない?」
「いや・・・その・・・」
「特に変わりは・・・」
みんなから大きくなったか聞かれる度に答えなければならないのが辛い。なんで身長伸びないのかな?本当にイヤな予感がしてならないんだけど・・・
「相変わらずチチでけーな」
「カナ・・・」
ルーシィさんの胸を揉みしだいているカナさん。ルーシィさんはその手を払うと、1年ぶりの再会に感慨深そうな顔をする。
「いやー、この1年は私にとつても充実してたねー。とりあえずギルダーツでも探そうと思って旅してたんだ。手紙を受け取れたのは運がよかったよ」
お父さんであるギルダーツさんを探して旅をしていたため、ルーシィさんの手紙が受け取れるかどうかはかなり微妙だったようだが、彼女はそれを見せながら歯を見せて笑う。
「みんな似たようなもんだろ?」
「!?」
意味ありげな彼女の言葉にルーシィさんは戸惑っている。カナさんは半分ほどしか入ってない瓶に口を付けると、それを一気に飲み干していく。
「特に私はガキの頃からギルドにいたからね。突然解散なんて言われても意味わかんねーっつーか、どうやって食っていくのかさえよくわからなかった。まぁ、いい人生経験にはなったよ」
酒を飲み終えて一息付く。その顔は茶化そうというものではなく、優しげな、お姉さんのような顔だった。
「みんな違和感みたいなのは持ってたんだ。だから連絡する勇気もなかった。それ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ