第15話
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流れにあるのが”特務活動”で”Z組”なのだとしたら……”自己満足”以外の何者でもないと思わないか?」
「………っ…………」
「………………」
「クルト君………」
「………ふむ………」
「――――ま、確かにそういう見方もあるわね。」
「……だな。」
クルトの指摘に反論できないユウナとアルティナが黙り込んでいる中トワは複雑そうな表情をし、ランディは真剣な表情でクルトを見つめ、静かな表情で肯定したレンの言葉にランドロスは頷いた。
「――なるほど、学院に入る前に色々思う所があったみたいだな。大した慧眼だが、クルト……一つ忘れていることはないか?」
一方リィンは動じることなく静かな表情でクルトに問いかけた。
「?……何です?」
「殿下の希望とは関係なく―――Z組の特務活動が第Uの正式なカリキュラムとして各方面から認められていることだ。」
「ええ……今のエレボニアでのオリヴァルト殿下の立場はとても厳しいものなのですから、そんな立場のオリヴァルト殿下が分校とはいえ士官学院のカリキュラムに介入できないと思いますわ。」
「……!」
リィンとセレーネの指摘を聞いたクルトは目を見開き
「シュミット博士や帝国政府の思惑も確実に特務科設立と絡んでいるだろう。それぞれ、俺達を”駒”として見込んでいるのかもしれない。多分、殿下の希望は”きっかけ”に過ぎないはずだ。」
「そ、それは……―――もっとタチが悪いと言う事じゃないですか!?」
リィンの正論に一瞬反論できなかったクルトだったがすぐに気を取り直して反論した。
「物事には両面がある……決めつけるなということさ。君は随分頭が切れるがどうも考え過ぎるところがある。今日、半日かけてやったことをどうして否定的な側面だけで判断しようとするんだ?」
「………っ………」
しかし更なるリィンの正論に反論できなかったクルトは唇を噛みしめて顔を俯かせた。
「その、あたしも同感っていうか……やり甲斐はあったし、重要な情報もゲットできたから無駄なんかじゃないと思うよ?」
「まあ、総合的な結論を出すには早いのではないかと。」
「……納得はしていませんが詮無い愚痴はやめておきます。いずれにせよ、務めである以上、第U分校の生徒として―――ヴァンダールに連なる者として全力で当たるだけです。」
ユウナとアルティナの指摘を聞いて少しの間考え込んだクルトは自身の結論を口にした。
「ああ、今はそれでいい。俺達に言われたくはないだろうがその先は自分で見つけてみてくれ。」
「……っ……了解です……!」
「うふふ、同じヴァンダールに連なる者でも、フォルデお兄さんとは大違いよねぇ?」
「レン教官……
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