暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
114話:決着のとき
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るな! 今は彼奴が戦ってくれている、だから―――」
「休んでていいってか? 冗談はよしてくれ」


 ゲンヤの言葉を遮り、更には鼻で笑ってみせたのは肩を抑えるアスカだった。


「あそこに怪人がいる、それだけて特策隊(おれたち)の戦う理由がつく。こんなところでへばっている暇はないんだ」
「しかし…!」
「それに、俺達には目指す目標(ばしょ)がある。こんなところでただ見ている訳にもいかないんです」


 止めようとするゲンヤだったが、アスカの言葉に続くようにガイラも反論を述べた。
 しかしそれでも止めるべきだ、その怪我で戦える訳がない。そう言い返そうとするも、それよりも早く二人は戦場に向かって走り出してしまった。


『―――大丈夫ですよ、ナカジマ三佐』
「ッ、八神…」


 二人の背中を追いつつも呆然とするゲンヤ、そんな彼に通信を繋いだのは、上空でヘリに乗るはやてだった。


『あの子らは多分強い、何せ士くんの教え子ですから。それに言っても無駄でしょう、男の子があぁなったら止まらないのは、わかってますから』
「だ、だがあの傷だとどこまでやれるか…」
『心配ありません、なにせ…』




『―――私も、出ますから』







〈 ATACK RIDE・SHOULDER FANG 〉


 再び戦場へと目を向けると、Wは新たなカードを切っていた。
 腕の刃が消える代わりと言わんばかり、右肩に生える牙。それを抜き取ると一瞬溜めてから、怪人の群れへと投げつけた。

 回転する白い牙―――ショルダーファング≠ヘ向かってくる怪人達を、まるで生きているかのような軌道を描きながら切り裂いていく。
その間に襲いかかってきた怪人を足技で退け、変えかってきたショルダーファングを受け止めるとそれをナイフのように扱って切りつけ、再び投げつける。


 字面にすれば中距離の攻撃でうまく戦っているように見えなくもないが、Wからすれば苦戦を強いられている状況だった。

 確かにうまく戦えているものの、実際数を減らせているのはクズヤミーやグールといった、群れをなしている怪人達だけ。
 個々の能力の高い怪人は、ダメージは与えられているもののその殆どが倒すまでには至っていなかった。

 更に言えば数を減らせている群れる怪人達も、ディエンドが雄叫びを上げながら定期的にカードを使って生産し続けている。
 相対的には減ってきているのかもしれないが、Wからしてみれば周りの状況が目に見える程変わっておらず、不満を募らせるばかりであった。


(せめてディエンドの場所まで行ければ…!)


 ディエンドと交戦すれば少なからず怪人の増加を抑えられるのではないか。そう考えるのだが……

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