暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
114話:決着のとき
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――だが…


「なん…ッ!?」


 煙の中から現れた影、それは確かに両足で立っているではないか。あんなでたらめな攻撃でも、倒せなかったのか?


「―――いや、何か可笑しいぞ…?」


 最初に気づいたのは、ゲンヤだった。確かに見える影、だがそれに一切の動きが見られないのだ。
 そのことに士も、周りの者達も気づき始める。そして煙が晴れたそこには、確かにディエンドが立っていたが……

 立ち尽くすように、顔を俯かせて、腕をだらりと下げて。ただそこにいるだけのような姿で、彼は立っていた。


「エク、ストラ…?」


 静かに呼びかける士、しかし何も反応を示さない。もしや何かあったのか? それを確かめるべく立ち上がろうとする。
 ―――その、瞬間だった。ディエンドの胸部から、再びレリックの光≠ェこぼれ始めたのは。


「ガ、ガぁア…ッ!」


 誰もがその光景に驚いたが、それと同時にディエンドが呻き声を上げた。
 下がっていた両手が持ち上がり、自身の胸部へ。


「ガァ…アァあ…ァあッ!?」


 だが彼は何回も呻き声を上げ、両手で胸部をかきむしる様に、自らに爪を立ててひっかき始めた。
 それはなんだか苦しそうで、その光にもがいているようにも見えた。

 しかしその行動は段々と強く、苛立っているように激しくなっていき、しまいにはまたも大きな雄叫びを上げ、怒りを露わにし始める。


「ガァァァッ!」

 雄叫びを上げ、ディエンドは腰の横にあるケースからいくつものカードを取り出す。
 そしてそれを宙に放り投げたと思ったら、それを撃ち抜いたではないか。

 見ている全員が驚く中、放られたカードは嫌な光を放ちながら空中に止まった。
 ディエンドが同じ行動をもう一度行った後、再び雄叫びを上げると、宙のカード達は眩い光を放ち始めた。

 そしてその光が晴れた時には……


「―――なんだ、あれ…!?」


 見ていた誰かが零した言葉。それもその筈、ディエンドの周りには今、多くの異形な者達が立ち並んでいたのだから。

 グロンギにアンノウン、オルフェノクやファンガイア。ドーパント、ヤミー、ゾディアーツ、ファントム。
 更にはモールイマジンやクズヤミー、グールの群れ。巨大な魔化魍までも。

 多くの英雄(ヒーロー)達を苦しめてきた怪人達が、目の前の人間達を襲う時を今か今かと待ち構えていた。


「こんなの…」
「どうしろっていうんだ…!?」


 突如目の前に現れた見たこともない光景に、見ていた者全員がたじろぐ。あまりにも悍ましく、これ程恐怖を感じる光景があるだろうか。

 だが、全員がただ黙ってたじろいでいる訳ではなかった。



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