暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
114話:決着のとき
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無数にも広がるホログラム状のカード。銃口を中心に円状に並び、何層にも重なる。時を刻むように回転しながら、放たれる瞬間を待ちわびていた。


 ―――そしてッ!


「届けえええぇぇぇぇぇッ!」
〈 Dimention blast !! 〉

「ガあぁアアァあぁアァァッ!」
〈 Dimention shoot !! 〉


 ほぼ同時に放たれた砲撃、一つは目の前のカードを穿ちつつ大きくなり、もう一つは周りのカードを巻き込みながら突き進んでいく。
 二つの砲撃は何事もなく正面から衝突し合い、その衝撃は周囲のビルに影響を及ぼした。元より廃ビルだったそれらに大きなヒビを与え、残っていたガラス窓も残らず粉砕する程の破壊力。見ている者達は思わず顔を腕で覆う様に守った。


 しかし衝突したはいいが、そこで終わる訳ではなかった。

 衝突した二つの砲撃は、初めこそ拮抗していたが、徐々にディエンドが放った砲撃の方が押し始めたのだ。


「ぐッ…ぎぎ、ぎ…ッ!」


 その勢いに気圧されるかのように、士の足が一歩下がった。ディエンドの砲撃が、段々と迫ってきている。このままでは……負けてしまう。

 ―――だが、士の目はまだ……


「あき、らめ…るかぁぁッ!」


 敗北に絶望する者の目ではなかった。


「届かせる…絶対にッ!!」


 後ずさりしかけた足を、再び前へ踏み出す。
 それと同時に彼の瞳の色が、黒から変色し始める。


「絶対に…ッ―――諦めるもんかァァァァァァァァッ!!」


 その掛け声と共に、銃口から放たれる砲撃が、より一層強く、太く、激しく。ディエンドへと向けて駆け抜ける。
 威力を増した士の砲撃は、ディエンドのそれを押し返し始め……


 ―――ついに!


「いっ…けぇええぇぇえぇぇぇぇッ!!」

「ガァあアぁあぁアアぁァぁアアァぁあァぁァァァぁぁァぁァッッ!!」


 ディエンドの砲撃を飲み込み、そしてディエンドさえも飲み込んだ!
 そして砲撃がディエンドを貫き通した瞬間、大きな爆発がディエンドの姿を包み込んだ。
























「やった、か…?」


 爆炎と煙を見据えながら、片膝をつき、荒い呼吸でそういう士。ここまでの戦闘で受けたダメージは甚大、先日の機動六課襲撃の際の傷もまだ癒えていない状態。満身創痍であることは至極当然のこと。
 変身はすでに解けており、六課の制服はボロボロ。無意識のうちに手で胸を抑えながら、大きな煙の向こうへ視線を向け続ける。

 ここまでの激闘、最後の爆発。これで終わった筈だと、誰もが思っていた。


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