172部分:第十三話 運命の告白その十五
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第十三話 運命の告白その十五
「あの方もです」
「八条家か」
彼は今度は白杜家の総帥として言った。
「思えばこれまではな」
「そうですね。長い間いがみ合ってきましたが」
「意味のないものだった」
そうだったというのだ。今そのことにも気付いたのだ。
「しかしそれはだ」
「今終わるのですね」
「終わらせるべきだったのだ」
こう言うのだった。
「もっと早くな」
「そうですね。本当に」
「二人はそのことを教えてくれた」
今度も話すのだった。そのわかったことをだ。
そしてだった。真理の兄達、彼等の子達もだ。それぞれ言っていた。
「こうなってはね」
「はい、お祝いするしかありませんね」
「真理さんを」
困った顔であったがそれでも笑顔だった。
その笑顔でだ。やがてだ。
八条家の上の兄弟。義愛と義智のところに来てだ。こう声をかけるのだった。
「あの」
「貴方達は」
義愛がだ。真理の兄である真人に応えた。
「はい、こうして御会いするのははじめてですね」
「そうですね」
義愛は真人のその言葉に頷いた。
「思えば」
「会う時はいつもいがみ合ってばかりで」
「そうでしたね。本当に」
「しかし。今はです」
その今はどうなのか。真人は言った。
「そのことは間違っているとわかりました」
「本当にですね。いがみ合っていてもです」
義愛も話す。
「何の意味もありませんでした」
「私達はそのことに気付きませんでした」
「愚かにもですね」
「はい、本当に愚かでした」
真人はその声にだ。苦いものを含ませた。そうしてだった。
そのうえでだ。また義愛に述べた。
「ですが愚かと気付けばです」
「それをあらためるべきですね」
「私達は妹に教えてもらいました」
こう言うのだった。
「そのことを」
「私達もです」
義愛も述べた。そうだとだ。
「私達は無意味ないがみ合いを続けてきました」
「それによって生み出されたものはです」
「何もありません」
そのことがよくわかったのだった。実にだ。
そしてだ。今それをなのだった。
「ですがこれから生み出すべきですね」
「そうですね」
真人と義愛は二人で言った。
「あの二人と共に」
「そうしましょう」
言い合いだ。二人同時にだった。
手を出し合いだ。握手、西洋のそれをするのだった。
そうしてだ。義智もだった。真理の二人の姉、真美と真子と話していた。二人は落ち着いた笑顔で彼に対してこう話すのだった。
「これまでの愚かさをあらためて」
「親睦を深めるべきですね」
「そう思います」
義智もだった。こう彼女達に返すのだった。
「是非共。それでなのですが」
「それでなのですか」
「といいます
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