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奇妙な暗殺教室
転校生の時間
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スパァンッ!


丈一郎の振り抜いた拳が寺坂の顎に当たる。たったそれだけ。たかが一発だが、その一発は


「ね……ぞ………ぉ」


寺坂をいともたやすく地面にひれ伏し、その光景にその場にいた全員は唖然とするほかなかった。


 数秒の沈黙。


「寺坂!?」


「おいおい大丈夫かよ!?」


だが、自分の目の前で倒れた寺坂に慌てて村松と吉田ははっと我に返り、体を譲って意識を確かめる。


「ジョ……ジョ……テメぇ……」


お?手加減が苦手だから確実に気絶したと思ったんだが…寺坂の奴思ってたよりもタフだな。


「そう怒るなよ寺坂。たかが顎に軽い手刀を一発入れただけだ。ただ脳が揺れて気分が最悪な程度大した事は無い。まぁ30分もしたら回復するだろうから机の上で黙って寝てろ」

 
 丈一郎はそう言って、ドアへと歩き始める。そしてこの場にいた全員がジョジョがこの教室から立ち去るのを黙って見るしかなかった。



◆◇◆◇◆◇◆◇



学校から出た俺は小さく溜息をついた。


 (やっちまった……)



昔から手加減が苦手でしつこい不良共の喧嘩が無ければ寺坂の顎砕いてだろうし…俺もまだまだ未熟だな


「やれやれ…今日は厄日な気がするし。夕飯の買い物済ませて家に帰って篭るか」



と、今日の晩御飯の献立を考え始めたその時



「おーい!ジョジョー!ジョジョー!」


遠くから俺の事を呼ぶ声が聞こえた。声がだんだん近づいてくる。声の主は顔を見なくても分かる。まぁ授業があるのに平然とサボる時点で既に選択肢は一択だ。


「やれやれ…そんなに急いで何の用なんだ?中村」


足を止め振り返ると、やってきた中村は急いで走ってきたせいなのか「はぁ…はぁ…」と肩で息をしていた。


「何の用って……私も授業サボるから一緒に帰ろうと思ってね。あと、ついでにあの転校生の事で話したい事もあったしね」



「ほぉー…んで、本音は?」


「あの数の対せんせー弾を片付けるのが面倒いから」


グッ!と親指をたて清々しい程の満面の笑みで答える中村。正直、俺自身それもあって帰って来たのもあるんだがここまではっきりと言うのもどうかと思う。


「やれやれ…俺の用事を済ませた後なら良いぞ」


「用事?何かあるの?」


「夕飯の買い物だ。冷蔵庫の中身が切れそうだったからな」


「え?ジョジョって料理するの?」


中村にとって俺が料理するのはそんなに意外なのか驚きを露わにする。つか、そこまで驚く事か?


「そりゃあ一人暮らしだからな、自炊の方が安く済む」


外食
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