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名無しの複数世界探索物語
第一部
第一章
2,病院での一時的な生活
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どうにか一命を取り留めた僕は、病院での生活を余儀なくされた
幸い、春の長期休みだった為学業の方はまぁ大丈夫…
そこそこ痛手を負った僕の病院生活を紹介したい
もし興味無いなら次に行って貰って結構ですから
ー一日目
僕は気がつけば病院のベッドで眠っていた
「んむぅ…」
声が聞こえた方を見てみると七宮がベッドに体を預けて腕を枕に眠っていた
やけに周りが暗い…
時計が示す時刻は午前2時11分
そりゃあ眠くもなる訳だ
そっと頭を撫でて
「ありがとう」
静かに囁いた
そして再び眠りについた
…朝8:00
星が降るようで 何時からだろう…
歌が聞こえる
「ん…」
ゆっくりと目を開ける
真っ先に見えたのはピンクの特徴的な髪
「あ、起きた!」
一体何だよもう…
「おはよう、勇者!」
「おはよう七m…え!?」
ゆ、勇者!?
その一言で一気に意識が覚醒した
思わず起き上がろうと…
「痛っ!…」
腹部に痛みを感じて起き上がることはできなかった
「あわわわ、動いたら傷口が開いちゃうよ!」
「だっていきなり勇者って言うから…」
唇を尖らせてそっぽ向いた
…そうだ、僕は確かに横腹をナイフでやられるんだ
「変化」を使って時間を変えて刺される前に体を「変化」させて無傷の体にした
同時に腹部の包帯が落ちる
代償は体力なので半日休んだ僕は気にする必要などない
再度体を起こして床に足を付く
「ふぃー、完全回復」
七宮が驚いた表情でこちらを見つめてくる
「嘘…でしょ?」
疑うのも当然、どう考えても一瞬で回復などできる訳ないのだから
「傷口、見てみる?」
そっと服をめくって傷があった場所を見せる
「…傷がない」
顔を近づけ、そこを何度もなぞる
「…奇跡は信じれば起きるんだ、きっとね」
ここだけの話、なぞる指と吐息が凄くくすぐったかった

なんとか退院できて、お互い家に戻った
「ただいま」
誰もいない家に着いた
病院から程近いマンションの一室
お隣りは「富樫」
妹さんとお母さんとお父さん富樫暮らす中二病患者だ
時折「我が名はダークフレイムマスター…闇の炎に抱かれて死ねェ!」
と聞こえるのが笑えるよなぁ
その真上に住む「小鳥遊」(たかなし)さんは、その姿を鏡を使ったりしながら見ていた
子供のように目を輝かせていた…
僕は…能力者という事をなるべく隠すため遠く離れた所に移住した
そこで七宮と出会い、打ち解けて現在に至る
ちなみに七宮は僕の真上で過ごしてる
物凄い偶然が重なってできた奇跡だ
「…少し横になるかな」
そっとベッドに横になった
時刻は午前11:16
もうすぐお昼の時間だが、自分の家でくつろぐ時間くらいは欲しいものだ
眠ってしまう為布団は掛けずにくつろいで時間をつぶす
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