ペルソナ3
1941話
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、TVや冷蔵庫といった代物も完備してる辺り、かなり贅沢な車らしい。
「何か飲むか? もっとも、これから食事会なのだと考えれば……いや、アルマーの食欲を考えれば、今ここでちょっと何か飲んだくらいで食事量が変わったりはしないか」
少し呆れた様子でそう告げる桐条だったが、実際ここで何か飲んだ程度で俺の食事量に変わりはない。
そもそも、料理が腹の中に入れば即座に魔力として身体に吸収されるのだから、例えここでステーキ1kgを食べたところで、そのすぐ後に満漢全席を食べきるだけの自信はある。
……まぁ、食べられるというだけであって、味に満足出来るかとか、脂っこい料理だけが延々と続いて飽きがくるとか、そういうのはあるかもしれないが。
「そうだな。取りあえず紅茶でもくれ」
そつ告げると、桐条は冷蔵庫の中から缶紅茶を取り出す。
……いやまぁ、紅茶というのはあくまでも淹れ立てを飲むから美味いのであって、こういう場所でそれを望むのは無理だと分かってるんだけどな。
それでも、まさか缶紅茶が出てくるとは思わなかった。
「これでいいか? 以前この銘柄を美味いと言っていただろう?」
「あー……なるほど。うん、分かった」
そう言い、桐条から紅茶を受け取る。
どうやら以前俺がこの缶紅茶を美味いと言っていたのを覚えていて、わざわざこれを用意してくれたらしい。
勿論可能なら淹れ立ての紅茶を……と思っていたのかもしれないが。
「にしても、服か。……やっぱりそういう服って持っていた方がいいのか?」
「当然だろう。特に、アルマーは立場が立場だ。いつ影時間関係で桐条グループに顔を出すような事になるか分からん」
「そういう時は、月光館学園の制服でもいいんじゃないのか?」
学生なら、学生服とかそういう制服が公式な場での制服という扱いになる筈だ。
「そうだな。普通ならばそれでもいいのだが……世の中には、自分の価値観以外を認めないような者もいるのだ」
苦い表情を浮かべている桐条は、そういう人物が近くにいるのだろう。
そんな人物と俺が会うとも思えないんだが……まぁ、場合によっては会わなければならない事もある、と。
そういう事らしい。
「分かった。まぁ、今のところはそんな人物に会う予定はないけど、くれるって言うなら、ありがたく貰っておくよ」
「そう言ってくれれば、私としても嬉しい」
言葉通り、嬉しそうに笑みを浮かべている桐条。
ただ、その笑みはどちらかと言えば父親と会える事が嬉しいような……そんな感じの笑みに見える。
やっぱり俺が予想したとおり、桐条はファザコン気味なのかもな。
もっとも、桐条の父親に会えるというのは、俺にとってもそれなりにありがたい事だった。
ゆかりの父親の一件
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