ペルソナ3
1941話
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「そうか? すまない。あまりアルマーが目立たないようにと、そう考えたのだが……」
申し訳なさそうな表情を浮かべているのを見れば、桐条も別にわざとそのような真似をした訳ではないのだろうが。
となると、これ以上責めなくてもいいか。
勿論、そこまで被害らしい被害がないからこそ、このくらいで済ませるのだが。
幾ら善意からの行動であっても、相手に洒落にならない迷惑を掛けるような事になっては、桐条としても色々と不味いだろうし。
「まぁ、この件は次から気をつけてくれればいいさ。……次があるかどうかは分からないけど」
桐条グループを率いている桐条の父親に会うのだ。
当然そんな経験は滅多に出来るものではないし、向こうだってそう何度も俺と会うような暇がある筈もない。
もっとも、それはあくまでも俺が桐条の協力者である一介の裏の者だという状況であれば、の話だが。
ホワイトスターとの連絡が付き、向こうと行き来出来るようになれば話は違うだろうが。
もっとも、現状ではホワイトスターとの連絡は出来ない。
恐らく影時間が何らかの悪影響を及ぼしている可能性が高い以上、桐条達に協力して影時間を何とか解決しなければ、ホワイトスターに戻る事も出来ないのだが。
そうなると、俺がシャドウミラーの代表として桐条の父親と会う事になるのは、正直なところいつになるのやら。
だが、そんな俺の感想とは裏腹に、桐条は首を横に振る。
「お父様は影時間の一件を解決しようと力を注いでおられる。恐らく、これからも頻繁に……とまではいかないが、会う機会はある筈だ」
「そうなのか? それはまた色々と予想外だな。……それはともかくとして、その格好……」
「その、どうだ? 中華料理店で食事ということで、菊乃にこのチャイナドレスを薦められたのだが」
そう言いながらも、桐条は自分のチャイナドレスがどれだけの破壊力を持っているのかの自覚がないのだろう。
恐る恐るといった様子で俺に尋ねてくる。
「似合ってると思うぞ。実際、さっきから何人かこの近くを通ったけど、桐条の姿に目を奪われていたしな」
「なっ!? い、いきなり何を言う!」
俺の言葉が予想外だったのか、桐条は顔を真っ赤にしながらそう叫ぶ。
どうやら予想以上に自分の女としての魅力には疎いらしい。
「まぁ、それはいいけど……桐条がそういう格好で行くのなら、俺も相応の格好をした方がいいのか? そういう服は持ってないんだが」
基本的に俺が活動する時は軍服を着る事が多いが、まさかこの状況でそんな服を着る訳にもいかないだろう。
スーツの類もあるが、それはホワイトスターにあって、今俺の手元にはない。
身内――という表現が適切かどうかは分からないが――だけの食事会ということで、
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