第5章:幽世と魔導師
第142話「一般人」
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ドォオオオオオオオオン!!
あたしが突き刺したのは、ただ巨大なだけのレイピアじゃない。
魔力によって作り出されたのだから、そこに術式を込める事もできる。
……だから、あたしはレイピアを爆発させた。
「……はぁ〜……ようやくだよ…」
とんでもなくしぶとかった。……いや、そもそも一人で倒す相手じゃないんだけどね。
本来なら、複数の陰陽師と式姫が協力して倒す。それが龍神なのだから。
……あれ?なんでそんな相手にあたしは一人で戦ったんだろう?
「……とりあえず、閉じておかないとね」
結論から言えば、人手不足だからだね。
それに、あたし一人でも負ける事はないと、かやちゃんと判断したのもあるね。
「さて……と」
龍神を隔離していた結界を解く。
……周辺に被害はなし……と。結界が破られる事はなかったね。
「じゃあ、次の仕事をこなさないとね」
あたしに与えられた任務は、龍神の討伐だけじゃない。
余裕があれば、北の様子を見るように言われている。
門もできるだけ閉じないといけないからね。
「暗いから、一般人は皆家とかに籠ってると思うんだけどなぁ」
夜目が利くあたしだからこそ、続行で散策するように言われている。
安全をできるだけ確保するため、夜も動くって事なんだけど、妖は夜の方が活性化するし、あまり得策とは言えないんだけどね。
「さて、ここから近い街や門は……」
現在の地理と、以前の記憶を思い出しつつ、とりあえず向かう場所を決める。
「……オンボノヤスがいる所…かな」
県内に、もう一つ門があるのを思い出す。
悪路王がいた場所には門がなかったし、多分そっちにあるはず。
「よし、早速行こう」
目的地を決めたなら、即行動。
時間はあまりないからね。それに、夜だからあたしも調子がいいし。
……最近、昼夜関係なく活動してるけど、一応あたしは吸血鬼だからね。
「はぁ…はぁ…ちょっと、さすがに疲れたなぁ……」
それから約一刻。あたしはオンボノヤスを倒しきった。
物理攻撃に耐性がある上に、門に辿り着いてすぐに戦ったから、さすがに疲れた。
「一応、そこらの妖相手ならまだまだ戦えるけど……強敵はきついかな」
安全地帯まで山を下り、その場に座り込み、一度息を整える。
この近辺は割と安全になったとはいえ、残党の妖は残っている。
それらに負ける事はないけど、また守護者を相手にするには、体力が持たない。
「(……あー、ある意味守護者より厄介な相手が来たかも……)」
そこで、あたしの方に近づいてくる気配を察知する。
……まぁ、人気のない山奥だからって結界を
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