第5章:幽世と魔導師
第142話「一般人」
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だから、攻撃するならばレイピアを生成して突き刺した方が効果的だ。
「(それに加え…)」
―――“直立禁止”
―――“動作禁止”
北上龍神から、まるで突風のように霊力の塊が放たれる。
その塊は、瘴気のようにくすんでいたが、とりあえずあたしは躱す。
けど、今度は押し潰すように、広範囲に力が放たれた。
広範囲なため、あたしは躱しきれずに喰らってしまう。
「く、ぅ……!」
幸い、その技自体は威力が低い。身動きは取れないけど。
だけど、問題はその後。……身動きが取れないという事は、強力な攻撃が来る。
「っ!」
ドン!!
巨大な尾が、あたしへと叩きつけられる。
本来なら、躱しきれないはずだけど……。
「悪手な事に、気づきなよ!」
あたしの場合は、蝙蝠に体を変えられる。
叩きつけられる直前に、重圧は消えたので、その一瞬で体を蝙蝠に変えたのだ。
後は躱して回り込み、無防備な胴体へとレイピアを突き立てた。
「さて、そろそろ終わらせなくちゃね」
油断しないように堅実な戦い方をしていたけど……その必要ももうなさそうだ。
そう思って、あたしは一気に片づけに掛かる。
「っと、はぁっ!」
―――“呪黒剣”
胴体から振り落とされ、地面に着地する。
着地する所へ襲い掛かってくるのは分かっていたので、同時に呪黒剣を放つ。
霊力や魔力の込め方を上手く変えるだけで、呪黒剣は広範囲に影響を及ぼす。
この術はあたしが唯一得意とする広範囲技なので、結構重宝している。
「さて、いくら外から攻撃してもダメなら……内側から貫こうか!」
北上龍神は、その巨体を利用してあたしを呑み込もうとしてくる。
呪黒剣が効いているんだろう。結構怒ってるみたい。
でもまぁ、その方が都合良いけどね。
「イメージ固定、硬化、巨大化……よし!」
あたしが生成するレイピアは、霊力や魔力から生成している。
……つまり、生成の仕方によっては、大きさなども変えられる。
その分、力の消費も大きいけど……この場合はむしろ有効だ。
つまり……。
「貫けぇええええええ!!」
―――“巨刺剣”
あたしを呑み込もうとしてきた、その大口に向けてレイピアを生成する。
それは、まるで芸などでナイフを呑み込む奴のようで……。
だけど、そんな風にはならず、北上龍神はレイピアに内側から貫かれる。
「……うわぁ、これでも生きてるんだ…」
確かに致命傷になった。……その上で、北上龍神はまだ動いていた。
と言っても、もう死に体だ。
「じゃあ、トドメと行こうか」
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