第5章:幽世と魔導師
第142話「一般人」
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目の前で起きたのなら、それを拒絶しようとするのが普通だもの。
「とりあえず、三つ目について説明するわ。……妖が狙ってくる存在は、主に霊力を持つ存在よ。霊力は、生物であればどんな存在にも宿っているのだけど…ここでは、人並み以上に持つ存在の事を言うわ。陰陽師とかがそうね」
「………」
「もう一つ、確信はないのだけど…魔力を持つ存在も狙うみたいよ。……と言っても、貴方達にはどちらも馴染みがないでしょうけど」
何も知らない一般人に説明するのはこれだから面倒だ。
理解が及んでいない部分を説明するのは、骨が折れるものだわ。
「……そうなると、なんで一般人に……」
「……一般人でも、霊力を人並み以上に持っている人はいるわ。所謂才能ね。由緒ある家系だと、その傾向が強いわ」
すずかとかアリサは特にそうね。
……すずかの場合は夜の一族って言うのもあるんだけど。
「どの道、人が集まっていればそこに妖が来るのは必然よ。……今は、私がいるからこっちに引き寄せられているみたいだけど」
「何……?」
「あのねぇ……人間じゃない私が、どうして霊力を人並み以上に持っていないと思えるのよ。……いえ、一般人ならそう思ってもおかしくはないけども」
もう一体現れた妖を仕留めつつ、私はそういう。
「……まぁ、もうすぐこの近辺は比較的安全になるわ」
「なぜそう言い切れる」
「さっき言った発生源。その一つを私が潰してきたからよ。貴方達も向かおうとしていたでしょう?あちら側のまだ救援に行けていない場所」
「………」
適当に推測しただけなのだけど、どうやら当たりだったみたい。
まぁ、そこは別にどうでもいい事ね。
「実際、なんとなく感付いているでしょう?妖の力が落ちている事は」
「……ああ。組みつかれたら助からないはずだったのが、助かるようになった」
……犠牲になった人は、組みつかれたのね。
まぁ、蜘蛛系の妖に組みつかれたら普通は助からないわね。
今は弱体化したから助かるようにはなったけど。
「一応、あちら側の状況を伝えておくわ。この辺りの妖の親玉は絡新婦よ。まぁ、私が倒しておいたからこれはいいのだけど。蜘蛛系の妖だから、そこら中が蜘蛛糸だらけよ。まだ生きている住人は、避難もすることができないまま家に閉じ込められている状況よ」
「閉じ込められている…?」
「蜘蛛糸の頑丈さは伊達じゃないわ。玄関に蜘蛛糸が固められて出られなくなっているのよ」
面倒にならない程度には、私も剥がしてきたけど……まだまだ残っているわ。
「家に閉じ込められているだけマシよ。……少しばかり、惨い死体を見る事を覚悟しておきなさい」
「っ………!」
残念と言
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