番外編 島田千代
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
着の話を聞いて人の事が言えるのかと言いたかった。確かに西住流の現実を見ない一部の信奉者によって大騒動を引き起こしたが、それは島田流にも同じ状況が生まれるというメッセージだと私は今回の騒動を見て思えてしまった。何しろ西住みほの事故死は必然的に起きたものだ。第六十二回戦車道全国高校生大会より前から現在の日本戦車道の安全基準の甘さから戦車道の試合中に大きな事故に繋がる事は日本戦車道連盟から指摘されてきた。しかし、日本戦車道に大きな影響力を持つ西住流や島田流の保守派により安全基準に対する見直しが今まで実行されていなかった。これにはご老人達の意地でもあった。近年の戦車道はヨーロッパやアメリカで行われるプロリーグ設立に加えて安全の厳格化により、ヨーロッパやアメリカでは戦車道は安全なスポーツとして認識されつつあった。
しかし、それがご老人達には許せないるものではないらしい。ご老人達は戦車道は凛々しい帰女子を育成する武道である認識が強く、ヨーロッパやアメリカで行われるプロリーグや誰も安全にスポーツとして認識して誰もが安全に行われては戦車道はただのエンターテインメントになる。そうなっては自分達が築き上げた戦車道が廃れてしまう事を恐れて、現状の戦車道のルールに固執する傾向が強かった。
だが、それでも時代の流れというものがある。確かに伝統も大事にする気持ちは私にもわかる。しかし、変わらなければいけない現実というものもある。あの事件の後に西住流の不祥事や戦車道連盟が特に動きを見せなかったせいで世間や戦車道関係者達より不信感が強くなった。この戦車道連盟や西住流に対する不信感により警察の方も遂に本腰を入れて戦車道連盟に対して調査が行われた。それはもう、長い事ご老人達とやりたくもない腹芸を経験して黒い案件にもかかわった私でも正直いって反吐が出る程の黒い案件が続出した。
この当時はまだ島田流の家元としてではなく島田流の師範代として、戦車道連盟に深く関わった島田流の人間に対しての事故処理に追われた。そのとき西住流師範代であったしほとも連携するように私は動いた。最後に出会った時は高校戦車道連盟理事長に就任してより一層に硬くなった印象を受けたが、現在のしほは他人から見れば感情を表に出さない鉄仮面という印象を受けるが、長いこと公私共に付き合いのある私はしほが変わった事に気がついた。まるで何かに取りつかれたように必死なような印象を受けた。私は、やはり次女のみほさんが亡くなった事が影響していると思った。私は少しでもしほの助になろうと思い、お互いに落ち着いたら二人で話がしたいと約束を取り付けた。
そして二人で話すように私の実家にしほを招いたが、あの時のしほは今でも私は忘れる事が出来ない。
「私は西住流を根本から変えるわ」
しほが最初に言ったこの言葉は私にとって衝撃的だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ