第六十六話 さらば理屈倒れ・また会う日まで
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ている者が居るのです」
落ち着かないフレーゲルに変わってブラウンシュヴァイク公が訊ねる。
「シュトライト、その煽っている者とは誰なのだ?」
言いにくそうなシュトライトだが、遂に口を開いた。
「実は教官のシュターデン大佐が視察反対の急先鋒で、
校長もその勢いに贖えずに反対の立場を示しているようです」
その言葉を聞いた途端、フレーゲルがさらに激高した。
「なんだとシュターデンだと。奴はブラウンシュヴァイク一門末席ではないか!!」
フレーゲルは、頭から湯気が出そうなぐらい真っ赤になっていて血圧が大変心配である。
「うむ、まさかシュターデンが邪魔をしているとは」考え込むブラウンシュヴァイク公。
「おのれ!シュターデンめ、目にモノ見せてやる!!」
「うーむ」
「伯父上、こうなればシュターデンを追放して頂きたい」
アンスバッハもシュトライトも会話に参加できずに見守るだけで、
シュターデンを気の毒に思っていた。
「うむ。ブラウンシュヴァイク一門でありながら、
一門の行動の邪魔をするのでは仕方が無かろう」
「では早速呼び出しましょう!」
「うむ。アンスバッハ、シュターデンを呼び出すのだ」
「御意」
アンスバッハは短く返事をすると連絡を行いに行った。
シュターデンが来るまで、フレーゲルはイライラしながら酒を飲み時間を潰していた。
ブラウンシュヴァイク公はその姿を見ながら、シュターデンをどうするか考えていた。
帝国暦480年3月15日 午後7時
■オーディン シュターデン邸 アウグスト・フォン・シュターデン
夕食後にリビングで寛いでいると、ブラウンシュヴァイク公爵邸から電話が来たと、妻が呼びに来た。
このような時間に何であろうと電話に出たら、アンスバッハ中佐であった。
何用かと訊ねたら、公爵が緊急の用で公爵邸に早急に参上せよとの事であった。
公爵様がお呼びと有れば、参上せねば成るまい。
妻に話して早急に地上車で公爵邸に向かった。
しかし何であろうか?
この所フレーゲル男爵を士官学校で成績を有利になるように調整をしているが、
その事であろうか。まあ悪いことでは無かろう。
到着するとアンスバッハ中佐が迎えてくれた、
中佐はなにやら私を見る目が変である。
何か有るのかと思うが、直ぐに応接室へ通されたので聞けなかった。
帝国暦480年3月15日 午後8時
■オーディン ブラウンシュヴァイク邸 応接室
シュターデンが応接室に現れる同時に、フレーゲルが大きな声で叫んだ。
「シュターデン!貴様、我が妻との時間を潰すとは何様のつもりだ!!!!」
はっ?シュターデンは何のことか判らなかった。
フレーゲル男爵に奥方は居ないはず
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