第六十六話 さらば理屈倒れ・また会う日まで
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せん」
「ふむ、調べる必要があるようだな」
「伯父上、実は士官学校内にテレーゼ様ファンクラブが存在しまして」
「なんと、それほどまでにテレーゼ様は慕われておられるのか」
「なんと言っても、あの愛らしさです。仕方なき事です」
「お前にテレーゼ様が降嫁為されば、
その支持が全て我がブラウンシュヴァイク一門へ来る訳だな。
ヨヒアムよ益々励むのだ」
「はい伯父上。必ずや果たして見せましょうぞ」
「それで、ファンクラブがどうしたのか」
「はい、テレーゼ様の視察を邪魔する輩の情報が有るようでして」
「お前は入っておらなんだか?」
「下賤の者共と共にはその様な事出来ません故」
「そうだな、其れが正しかろう」
「ファンクラブから情報を貰うのもあれですから」
「そうだの、誰か士官学校で情報通はおらんかな?」
「伯父上、此処はアンスバッハとシュトライトを呼びますか」
「そうだな、あの2人なら良い知恵を出してくれよう。
アンスバッハ、シュトライト応接室へ来るのじゃ」
暫くするとアンスバッハとシュトライトが応接室へ現れた。
フレーゲルにしては先ほど世話になったばかりである。
「「ブラウンシュヴァイク公、お呼びでございましょうか」」
「おお良く来た、2人とも聞いてくれ。
ヨアヒムがテレーゼ様を士官学校でエスコートすることになったのだが、
士官学校視察を邪魔する輩が居るそうだ。
その輩を調べることは出来るか?」
暫く考える二人、そしてシュトライトが頷いた。
「公爵閣下、小官の遠縁にあたる者が今士官学校の3年に居ります。
その者は冷静沈着で諸事に詳しいので、その者に連絡を入れてみます」
「うむ。シュトライト頼むぞ」
「シュトライト、どの程度かかるか?」
「本日は休日ですので、連絡を入れてみます」
シュトライトは電話室へ移動する為、応接室を出て行った。
フレーゲルが犯人をどうしてくれようかと思いながら待つと、
僅か10分もかからずにシュトライトが帰ってきた。
「シュトライトどうであった?」ブラウンシュヴァイク公が待ちきれないように聞く。
シュトライトは深刻に困った顔をしている。
「シュトライト、どうした判らなかったのか?」
シュトライトが意を決したように話し始めた。
「小官の縁者によりますと、皇女殿下視察を反対しているのは、
士官学校校長フライエンフェルフ中将と」
話が終わる前にフレーゲルが激高する。
「何!校長が邪魔をするだと、身の程知らずが!!
伯父上、目に物見せてくれましょう!!」
「男爵。落ち着いて下さい」
「此が落ち着いて居られるか!我が妻を奪うがごとき仕儀なのだぞ!!」
「男爵。校長は単に流されているだけです。主に動い
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