第一部
第一章
1,初めて尽くしの一日
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久しぶりの休日、一人暮らしでバイトしている。節約にも気をつけてかなりの金額を貯めて来た4年間だった
学校では神月 亮を名乗り、住民票も登録済みである俺だが、実際に親がいた訳でもなく祖母に育てられたいわゆる養子だ
幼稚園から小4まで俺に家事を教えてくれた唯一の恩人だ。これだけは言える確かなことである
今日は友人と外出する日、人生初の他人との外出で少し早めに出発してしまったが、遅く着くよりマシだろう
ー児童公園ー
自宅から10分ほど歩いたら集合場所に着いた。ポケットの紙切れと確認する
...間違いないな
現在午前8:28分 集合時間午前9:00分
随分張り切っちゃったなぁ...
やや錆が見えるベンチにそっと腰掛けた
辺りをぐるっと見回してみた
錆で動かないブランコ まだ綺麗なジャングルジム 明らかに新しい水呑場 そして砂場
誰一人いない公園で全身黒コーデの俺は明らかに注目の対象だが、人通りがまったくない...ここまで来ると少し不安になってくる
友人 と言ったが、男友達ではない
恋人でもない、クラスメート以上、恋人未満のような関係の子…いや娘だ
小柄でツーテールで髪色は...ピンク
笑い声は「にーっはっはー!!」
…分かる人は分かる筈
さて、今は…8:41
何しよっかなぁ…おっと、そういえば忘れてた
実は俺…能力者なんだ
命名「変化を自在に操る」
その気になれば地球も太陽も月も塵以下に粉砕できるんだ
まぁ能力をコントロールできれば楽に生活できるけどたまに暴走するから危険 だから他人との関わりを極端に減らしてた
「〜♪お、おーっす!」
手を振りながら駆け寄って来た
「おはよう」
とりあえず微笑み返す
「予定より10分早いのにもういたんだね」
「早い分長く遊べるからね」
「よし、それじゃあ早速ゲームセンターに行こうっか!」
「了解っと」
公園の近くに商店街 電気街 住宅街があることをこの日この時初めて知った
そして俺…格好つけるのはやめよう、僕らは日が暮れるまで遊んだ
「ふい〜...遊んだ遊んだ」
背伸びしながらそう言っている姿が微笑ましい
「おいゴルァ!!」
突然、近くの路地から声が響いた
「てめぇだ待ちやがれ!」
どうやら他人をカツアゲ…
「聞いてんのかクソが!」
…ん?
「僕ら?」
聞こえた方を向き答える
「金置いてけ、そしたら痛くはしねぇぞ」
折りたたみナイフをちらつかせて脅してくる
「嫌だって言ったら君はどうする?」
なるべく挑発させる
「無傷では帰させねぇぜ?」
「暴力は脳の足りない人間のこすることだ…可哀相な人…」
「ナメてんのかぁ!あぁ!」
お、キレたキレた
「今の内に逃げて」
耳元でそっと囁いた
「え…でも」
「いいから早く!」
頷き、走っ
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