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悲劇で終わりの物語ではない - 凍結 -
人理修復後 ─スカサハ─
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有していた杖のみ。

 ウィスの死を理解したときの気持ちを言葉で表す術を自分は知らない。まるで心に大きく穴が開いたかのような衝撃を受けた。

 自分はウィスに強く依存していたのだろう。今なら分かる。

「───。」







───ああ、そうか───







「───こんなにも私はウィスのことを愛していたのだな。」










 ウィスは数多くの者を救った。正史にて救いなき者たちに───

 彼は最後まで自身の信念を貫き通した。そこに後悔の文字など存在しない。

 だがそれ以上にウィスの死を悲しみ、心に傷を負った者もいるのも事実。スカサハたちにとってウィスの存在は余りにも大きく、掛け替えのない存在であったのだ。

 今でも手を伸ばせば彼の背に届きそうだ。

 だがウィスはもうこの世界に存在しない。







───此れは誰よりもウィスの傍で彼を支え続け、共に生きた女性の物語───

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