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【アンコもどき小説】やる夫は叢雲と共に過剰戦力で宇宙戦艦ヤマトの旅路を支援するようです
遊星爆弾迎撃戦 九回目のサイコロ
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いペンウッド卿は、淡々とその理由を告げた。

「虫の良い話だとは思う。
 だが、現在の地球ではガミラスに勝てないのは貴艦らも分かっているだろう?」

 その言葉と共に、一つの計画案が俺達のモニターに映し出される。
 現在の地球では無理だといやでも分かるその計画の事をペンウッド卿は淡々と語る。

「『戦時体制移行五カ年計画』。
 その肝はガミラスが使っている波動エンジンを搭載の新型宇宙戦艦の大量建造と、その一元管理運営だ。
 それは現状の各国の主権を著しく制約する事になる。
 ガミラスとの戦争を前に、人類同士で争うなんて愚行は演じたくは無い。
 だから、貴艦らを頼った」

 原作だと内輪もめができないぐらいガミラスが押し込んでいたので、必然的に戦時体制に移行する事ができた。
 今回はなまじ余力があるせいで、その戦時体制への合意段階がまだできていない。
 つまりはそういう事だった。

「で、我々に何を期待するので?」

 呆れ声の俺にペンウッド卿は相変わらずおどおどしながら一生懸命に話す。
 悪い人ではないが、致命的に政治家に向いていない。
 ちらちらと視線がモニター外のカンペの方に行っているのを見なかった事にしてあげた。

「貴艦らには借りがいっぱいある。
 その借りをこれ以上増やすのは心苦しい。
 だから、これまでと同じようにに振舞って欲しい。
 我々の方でこういう事が起こるかもしれない。
 それを伝えたいだけなのだ」

 狸め。 
 少なくともペンウッド卿をパペットにして戦時体制への移行をもくろむ連中は間違いなくできるやつだ。
 善意による介入を期待すると暗に言っているようなものなのだから。
 これに介入して戦時体制へ地球側が移行すれば、対ガミラス戦はぐっと楽になる。
 特に、ヤマト建造に関して。

「分かりました。
 あなた方と未来が共に歩ける事を祈っています」

「ああ。
 少なくとも、私からは手を離すつもりはないよ。
 何せ離す手段を知らないからな」

 それが彼の精一杯の冗談だと気づいたのは、モニターから彼の姿が消えた後の事だった。
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