ペルソナ3
1940話
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有里と模擬戦をしてから、数日。
日に日に夏に近づいていく気温は、梅雨という事もあって高い湿度をもたらしていた。
「うわぁ……こんな中で体育とか……最悪だな」
夏の暑さにうんざりとした言葉を口にするのは、友近だ。
現在、俺達の視線の先では、俺達以外のチームがバスケットをやっている。
その片方には有里と順平の姿があり、現在6-16と始まってからまだそれ程時間が経っていないにも関わらず10点差をつけていた。
「この時季だけはな。せめて、バスケットだった事に感謝したらいいんじゃないか?」
バスケットであれば、試合をやっている2チーム以外は観戦という事になり、身体を動かさなくてもすむ。
……もっとも、ずっと試合を見ている訳にはいかない以上、どうしてもいずれ俺達も試合をする事になるのだが。
「そう言われてもな。……せめて、雨が降ってなきゃもう少し快適なんだろうけど」
忌々しそうな視線で窓の外を見る……いや、睨み付ける友近。
その気持ちも分からないではないが、だからといってそんな真似をしても意味はないだろう。
友近の眼力で雨雲を消滅させる事が出来るのであれば、話は別かもしれないが。
「剣道部の練習に比べれば、そこまで厳しくはないけどな」
俺と友近の話を聞いていた宮本が、苦笑を浮かべながらそう告げてくる。
「あー、剣道部は防具とかが凄いって話を聞いた事があるな」
宮本の言葉に、友近がそう告げる。
……そうなのか? と一瞬疑問に思ったが、考えてみればそれも当然なのか。
幸か不幸か、今まで俺は剣道をするといったことはなかった。
だからこそ、そんな悪臭を嗅ぐような真似はなかったのだが。
友近の言葉を否定しないところを見ると、どうやら剣道部の防具は色々と厳しいらしい。
「剣道部か。……順平はどんな感じなんだ? 2年になってから入部ってのは珍しいんだろ?」
「そうだな。ただ、正直あそこまで才能があるとは思わなかった。いや、寧ろ才能というか……実戦経験か?」
鋭い。
実際、順平が普通の剣道部員よりも優れているのは、その実戦経験の部分だ。
毎日のように……とはいかないだろうが、結構頻繁にタルタロスに挑んでいるのだから。
文字通りの意味で命懸けの実戦経験を積んでいるのだ。
そういう意味では、すぐに剣道部の中でその能力を発揮してもおかしくはない。
「ただ……以前も言ったと思うが、時々妙なところを攻撃しようとしてくるんだよな。それで戸惑って、その隙を突かれるという事が結構ある」
「ああ、言ってたな」
宮本の言葉に、納得する。
その辺りはシャドウを相手に剣道をしている訳ではない以上、どうしても相手が隙を見せれば手を出してしまうのだろう
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