163部分:第十三話 運命の告白その七
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第十三話 運命の告白その七
「踊るのか」
「他に相手がいたのに断って」
「それでお互いに踊る」
「まさか」
信じられないといった声でだ。二人を見ながら話す。
そしてその中でだ。義愛が言った。
「ここは」
「どうされますか?」
「止めるべきか」
こうだ。怪訝な顔で義智に言うのだった。
「今の義正を」
「ですがそれは」
「そうだな。無粋だな」
「はい、止めるべきです」
義智はこう言って兄の逡巡を止めた。
そしてそのうえでだ。彼も己の考えを話すのだった。
「私にしてもです」
「御前もか」
「本音は止めるべきではないかと思っているのですが」
「それでもだな」
「はい、舞踏ははじまりました」
それがはじまってしまった。それが大きいというのだ。
「その中で止めたりすればそれは」
「無粋だな」
「作法に反しますね」
「やってはいけないことだ」
暗黙の、だが絶対のルールだった。それならばだった。
義愛も動けなかった。無論義智もだ。
それでその場においてだ。義正を見るしかできなかった。
義正と真理は舞踏に入っていた。それを見てだ。二人の兄達はまた話すのだった。
「あの二人はまさか」
「そうですね。最初から」
「ああなることを考えていた」
「あの表情」
そのだ。二人の表情を見て義愛と義智は話した。
「兄さんはどう思われますか」
「楽しそうだな」
末弟だけでなくだ。真理の顔も見てだ。義愛は言うのだった。
「恋人同士、まさにそうだな」
「そうですね。誰がどう見ても」
「その二人の舞だ」
「この場にあるべきその舞踏ですね」
「白い婚礼の場」
義愛は今度は今の舞踏会の場を再び見た。するとまさにだった。
婚礼の場にだ。主役の二人が入り踊っている、そう見えるものだった。
そしてこう感じたのは彼等だけでなくだ。白杜家の面々もだった。
父がだ。憮然としながらも妻に話した。
「忌々しい状況ではある」
「はい、確かに」
妻もだ。夫の言葉に頷いて返した。
「まさか真理が。あの家の御子息と」
「ああして踊るとはな」
「手を握っています」
母にとっては最早そのこと自体が許せなかった。
「ああして。しかも楽しげに」
「恋仲の様だな。いや」
「はい、そうですね」
「まさに恋仲だ」
二人の表情からだ。そのことを察しての言葉だった。
「あの二人はそうとしか見えない」
「では。この場は」
「先生はわかっておられたのか」
伊上のことだ。父がここで言うのは。
その父は察したのだった。断定ではないがそれでもだ。
察してだ。それで話すのだった。
「まさか。二人のことを」
「御存知だったのでしょうか」
「この場だ」
彼もだ。今の場に
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